「時代の臭いをコピーできるのか?」(ALWAYS 三丁目の夕日)


映画「ALWAYS 三丁目の夕日」を観た。
昭和三十年代という、「豊かでは無かったけれど、明日への夢があった。」時代に懸命に生きる人々の姿。
ってんだけど、昭和三十年代の良い所だけをすくい取って、「これがあの頃」って云われても、それは違うだろ!と私は思うわけですよ。こんなんで感動するのは、「プロジェクトX」観て「あの頃は…」と涙を流す程度のオジサマ方か、「これが昭和三十年代」と見事に勘違いしちゃう若者(これが一番怖い)ぐらいのものですよ。
「特撮を駆使して昭和三十年代の町並みを…」というのもどうも首をかしげざるを得ない。いや、非常によくできているとは思いますよ。けれども、「時代の臭い」というのか、そういう物という点では、とても(今NHKの衛星放送で再放送しているけれども)寅さん(「男はつらいよ」)の初期の作品(あれは時代が下るけれども)にはとても適わないと思うのですよ。例えばさくらのマニアックな白いハイソックスであったり。
ストーリーは至って陳腐。引き取った孤児を(なぜか?昭和三十年代だからこそ、あんなに簡単に他人の子を引き取って面倒見るなんて事はしないんじゃないかな?)育てる吉岡秀隆、その孤児が実はお金持ちの子どもで、(案の定)黒塗りの車で引き取られていくのだけど、結局その子どもはお金持ちの家を捨てて貧乏な吉岡の元に戻ってくる。涙々。
同じような戦後の孤児の話だと、小津安二郎の「長屋紳士録」(感想ページ)の方が遥かに良いですよ。たらい回しにされる子ども、幾ら邪険にされようとも、誰かにすがるより他ないのだから。
そこには、「男はつらいよ」と同じ様に、同時代の世話物としての現実感がある。
ストーリーとしては他にも色々エピソードがちりばめられているのだけど、その一つ一つに胡散臭さが付きまとっている。
ともあれ、この映画が「癒し」として現在の自分を消極的に肯定する機能は果たしているのだろう。
庭の草刈りをしていたら見つかった、みょうがの花、こんな花が咲くんだ。


ゆず豊作


なんか庭のゆずが今年は豊作だ。
スコッチをちびちびやりながら、こんな事を書いている土曜日。
昨日煮て喰って余った「やつがしら」(里芋の親芋で、里芋よりもホクホクした感じ。里芋のとろり感というかネバネバがなくて好き{里芋も好きだけど}。でもこれを育てる事もするらしい。)でも喰って、新聞を持っていつもの北柏の喫茶店「Calla(カラー)」にとぼとぼ歩こうかしら。


今度は青いiPod


今回交換してもらった私のiPod(3世代目、上に四つボタンが並んだもの。)には同じ機種でありながら実は、液晶のバックライト(暗い所で点く奴)に普通の色と、青い色とがあって、今度交換してもらったら青い光の物に当たった。
購入時も確か青で、交換して白、そして今回青だから、順当にはなっている。


PUNCTUMで妙に冗舌

今度(夏)、写真展を銀座の写真を中心としたギャラリー(というか画廊)「PUNCTUM(プンクトゥム)」でやろうと思って、そこのヌシ、寺本一生氏に話を訊きに行った。
お金の事なんかも訊いたけど、色々自分が喋りまくった(ような気がする)。最近写真の事(表現という意味で)を話す事のできる人と余り往来していないからか、澱を吐き出して、妙に冗舌(本当は「饒舌」と書くらしい)に喋ってしまった。
その後、アップルストアでかねてよりiPodの電池交換(というか実態は本体の交換が一瞬で終わった)の予約をしてからニコンサロンへ。
小川 照夫写真展[「迥眺窓景(けいちょうふうけい)」-JR京葉線車窓より-]。作者本人がいらっしゃったので訊いてみたらやはりデジカメで撮った画像をそのままインクジェットプリントだとか。その方法を否定するつもりは無いけど、せめてカメラ側のシャープネスを落とすとか、せめて一工夫必要だと思いますよ。現在のデジタルカメラとインクジェットプリンタは、そのまま使って性能を最大限発揮できる程には成熟していませんから。
すみませんが内容に目が行く前に、その、テレビ画面を複写したような絵に見入ってしまいました。絵が良いという事は取り敢えず基本だと思います。


「荒らし」の心理

のまネコ問題(2ちゃんねるで誰とは無しに使われはじめて広まったネコのキャラクターを大手レコード会社エイベックスが自分トコで商標登録しちゃった問題)の中、2ちゃんねる(いろんな事を話す掲示板の集合体)ののまネコ問題の掲示板に、エイベックス社員の殺害予告を書いた奴が捕まって云うには、「自分の発言で掲示板が盛り上がるのを見たかったから。」だそうで、人を殺すだ何だ云う割には、単に他人に相手にされないから(他人に相手にされなくても本人が気にしなければ良いだけの話なのだが、何でも良いから社会の注目を集めてみようなんて考える方々が居て、とかく最近世知辛いのである。)、何か刺激的な事を云って注目を浴びてみようという単純な事なのだ。
大体2ちゃんねるは匿名性が云々なんて云われているが、2ちゃんねるに限らずネット上に匿名性なんてモンがあると思っている方が “○カ” ってもんで、一所懸命本名を隠してみたりメールアドレスを隠してみたり串を鰻みたいに一本刺したり二本刺したり三本刺したりしてみて喜んでいる方々がいらっしゃるが、そういうのは本当におめでたいとしか思えないのだ。
掲示板みたいに各々が自分の意見をぶつける場を作ると決まってこういう、単に目立ちたい一心で刺激的な事を云ってみる「荒らし」という方々が居るのだが、結局無視が一番なのである。
しかし、刺激的な事を云って自分の地位を上げようとか、自分の本を売ろうなんていう、芸術家や評論家や心理学者や… ともかく昔からこういう人はたくさん居て、そういう人がこういう人を語ったりするのだから、世の中はうまくできている。


新装開店「エスパ」見物

あびこショッピングプラザ エスパ(我孫子)
今日リニューアルオープンしたという「あびこショッピングプラザ エスパ」なるものに行ってきた(というか連れて行ってもらった)。
我孫子というのは駅を挟んで南側に手賀沼があり、その近辺が住宅街であり、僕がよく行くスーパーやら商店があり、まあそれだけで殆ど街の体をなしているのだが、十数年前から、寂れていた(国道16号線 水戸街道はあるので車には好都合)北側にマンションが建ち並ぶ様になり、そちらは新しい車社会としての体裁を整えていった(ように見えた)。
そしてその街(我孫子駅の北側の地区)の中心を為すのがその「あびこショッピングプラザ エスパ」で、スーパーの他に色々なお店が入った田舎の「ジャスコ」みたいなヤツで、
お父さんが子どもを遊ばせている間にお母さんは下の食料品売り場で買い物をして、その子どもの服を買って、その子どもが大きくなったら何か知らぬブランドの洋服屋さんで服を買って、その子どもが結婚したらまたそこでお爺ちゃんお婆ちゃんにその子どもの子どもの面倒を見てもらいながら二人でCDやDVDを買って…
とまあ何とも気持ちの悪いサイクルの組まれた施設なのである。
この輪廻に飲み込まれたが最後、クルクル回るハムスターみたいに、盲目的にただひたすら足を動かさなければならないし、今日の資本主義社会に生きている以上、そういうシステムに組み込まれてしまった方が楽だとは思うのだが、そんな化け物が大きな口を開けている様な店内なのである。


どうも

会館終了後、午後四時頃知り合いの佐々木雅子さんの個展を観に表参道へ。
その後、名古屋へ行った中学の同級生S君と西荻の焼肉屋「五鉄」で呑む。
そのまま、彼の家へ、お茶をもらう。中学当時はお邪魔したけれどもそのころ赤ちゃんだったたっくんが中学生になってすっかりオトナっぽくなっているのに驚き。
そして今、実家着。おやすみなさい。


会館へ

久々に古巣(退院後、一年ぐらい行っていた。)の杉並区障害者福祉会館の「若者(と云っても御想像の通り四十歳未満だが)グループ」へ。
通勤電車に揉まれて朝から荻窪へ。すっきりとした晴れ。中央線から富士山が見える。
お昼はデニーズへ。その後投稿。


最悪上野行

風邪も治った(と自分では思いこんでいた)ので、上野の都美術館に、「プーシキン美術館展」を観に行った。先週行ったら(平日の午前中にも関わらず)混んでいて、ろくに観ることができなかったので。
三時頃行ったら、平日にも関わらずこの間にも増して凄い人。入るのに30分待ちだとか。
確かに内容は濃い。どっかで見たような絵がごろごろあったけど、何か少し前に流行った、どっかで聴いたCMなんかの曲を集めたコンピレーションCDみたいな…(僕も買ったけど)
仕方が無いので横の国立博物館でやっていた「北斎展」へ。こっちも混んでいたけど、「プーシキン…」程では無し。
ところがここでお腹の急降下!三度もトイレに駆け込んで、北斎を観に来たんだかトイレの壁を見に来たんだか…
やっぱり家でじっとしてれば良かった。少し良くなるとすぐホイホイ遊び出すから。
北斎、凄かったです。快活な線と鮮やかな色と。負け惜しみ云う訳じゃ無いけど(泣)。
というわけでいつもの北柏の喫茶店「Calla(カラー)」で暖かいお茶をすすっております。夕飯もここですませて寝る…