嵐の中を

台風接近で電車の止まった上野駅の階段に座り込む人々
(昨日書いた記事だったのだが家に帰り着いたのが深夜十二時過ぎで、疲れて寝てしまったので翌日の今日アップロード)
台風が近づいていて上陸するだろうなんて言われていたけれども大丈夫だろうと、一度決めた計画が計画通り実行されないのが嫌な要は融通の利かない人間なので、テレビや我孫子市のtwitterから「必要のないお出かけは控える様に…」と言われ続けるのも聞かず、東京へ出た。
金町から浅草に行くバスを本所吾妻橋で降り、現代美術館を通る新橋行きのバスに乗り継ぐ。
東京都現代美術館に「フレデリック・バック展」を観に行く。「クラック!」や「木を植えた男」の作者として、日本では比較的名の売れたアニメーション作家だが、アニメーション以外にも多くの仕事をしていて、絵本はもちろん、個人的なスケッチやテレビ局での仕事などこれまで知らなかった面が見える。
アニメーションの原画のセルが背景に重ねて幾つか展示してあって面白い。こんなにも元は透明感のある絵だったのか。こんなにもきれいな状態で数十年前に作られたアニメーションのセルを保存しておくのは、それなりの措置をしての事だろう。
「美術館だって、黒字にならなきゃいけない。」というとんでもない発言をアノ人がしてくれたお陰で、何年前からか、夏休みの企画展は集客力のあるスタジオジブリに任せ、ジブリ立体造形物展だとか、アニメーションの背景画が云々とか、現代美術とは余り関係無いけれどもお金が集まりそうな珍妙な企画が、夏休みに行われていたけれども、今回は「宮崎駿と高畑勲がリスペクトする!」という一応の宣伝文句で人は集めたけれども、展示の内容にジブリは全く関わってこず、「金にならないけれども一部の人達にとって「良い」展示を続けていく訳には行かない」現実的な妥協案としては、良い落とし所を見つけたと思う。
先日の落語会で会場に、実家近所で買って我孫子に持って帰ろうとしていた浄水器を忘れ、それを取りに中野まで行った。
地下鉄で東中野に着いた昼過ぎには、もう途切れる事のない暴風雨になっていて、当初の予定通り歩いて中野までいく事など叶わず、タクシーで往復する事になって、随分高く付いた。
車内では運転士さんに「こんな日は急用の無い限りは出掛けちゃ駄目よ〜」と淡々と説教され、バスで帰るのはやめて常磐線で帰ろうと上野に着くも、常磐線は案の定 都県境の江戸川を吹く風が強いらしくて止まっており、四時頃上野に着いたはずなのに八時を過ぎても発車しない。
一旦九時過ぎに運転を再開する旨の放送があったのだが、三河島辺りで飛んできたビニール傘が架線に引っかかったとかで、やはり運転再開は延期となり、結局電車が動き出したのは十一時だった。
数時間止まった常磐線のホームの階段。


演歌の会から落語の会へ


こないだ来た時に魅惑されて、結局来てしまった、なかの芸能小劇場の入船亭扇橋一門会。
一門会というからには、師匠の扇橋も出ていたのだろうがチラシに名前は無し。ゆったりとした長閑な口調も最近は、噺が同じ所をぐるぐる回ったり飛んだりして聴く方をひやひやさせてしまっていたから、それも良いのだろう。このおじいちゃんの弟子は、扇辰や扇遊など、興味深い若手が育っているので、むしろそちらが目当て。
辰じん・遊一・扇辰・扇遊・扇里・扇治
小さな落語会というのは、芸のファンというよりも芸人個人を応援してそれに快感を覚えているという様な年配の男女が集まっていて、ロビーで「最近アイツもなあ」なんて常連とおぼしき方々が閉鎖的なコミュニティを作っていて気味が悪い。そういう人達が支えて大きくなっていく、それが芸人という物か。
噺に聴き惚れて、実家近所のヨドバシカメラでポイントで買った浄水器を会場に忘れてきてしまったのに気が付いたのが我孫子駅、また取りに中野まで行かなくては、トホホ。
実家近所の大きな樹の喫茶店で昼飯を食べていこうと思い、前の公園でベンチに座って開店を待っていた時の一枚。
結局その日は臨時休業とかで食べられなかったけど、よくある事なので気にしても仕方ない。


演歌の会へ


ひょんな義理から、中野の小劇場を借りた演歌の会に行ってきた。
写真だけ見ると浅草公会堂で撮った写真みたいだ。
アングラの聖地?中野ブロードウェイの横にある小屋、ホントは上映してはいけない映画を観に以前来た。
終わって入り口のチラシを見ると、講談の会とか、(前座や二つ目の)落語会とか、そういう路線。
入船亭扇橋一門会(師匠扇橋は出ず扇辰や扇遊など)は面白そうだな。


柏最後の映画館

五年ほど前まで柏には、柏松竹と、神社の脇を入った柏シネマサンシャインと、柏の駅ビルの一階にある柏ステーションシアターの三つの映画館があったのだが、柏松竹と柏シネマサンシャインの二つが無くなり、柏に残る映画館は柏ステーションシアターの一つになってしまった。
(16号沿いのトコだとか、つくばエクスプレスのシネコンだとか、”市内”にあると言えばあるのだが。)
スクリーンの数も三つで、バクチを打つ訳にも行かずほぼ確実に当たる(ポケモンとかハリウッド大作とか)作品をかけつづけて続けていて、それらを観る時以外行くことはなく、映画を観る時は亀有のシネコンか、いっその事銀座に出てマイナーな映画を観ていたのだが、ふと一昨日、「今は何をやっているのだろうか?」とホームページを覗いてみたら、ここもついにどうやら閉館するらしく、数年前の映画を500円で見せていた。
土曜日は閑だったし、涼むのに良いかと特に観たくなかったけれども他の作品「THE 有頂天ホテル」「ALWAYS 三丁目の夕日」が既に公開時に観た物だったので、「永遠のマリアカラス」を観に行った。
使っている革の財布の角がすれて来て、布の様な物が出てきてしまっていたので文句を言いに行こうと、映画を観る前に買った高島屋の紳士雑貨の所に行った。
革は布地の様な物を挟むんだかなんだかで、それが出てくる事があるそうだ。三年も使っていれば仕方ないのだそうだけど、出てきた糸を切ってもらったら大分見栄えが良くなった。それで帰っても良かったのだけど何か悪くて、結局名刺入れを買ってしまった。
映画館は500円で土曜日だというのにそんなに人も居ず、席の半分ほど埋まっただけだった。ここで映画を観た後は隣のミスタードーナツで休憩するのが毎回の決まりとなっていたが、そちらは既に閉店していた。