帰る(趣味の乗り鉄)

朝九時過ぎ、宿を出て竹波のバス停から美浜町のコミュニティバス(敦賀までの福鉄バスは、1/4程遠いだけなのに¥990、美浜町のバスは¥300、ここら辺何かを感じざるを得ない。)で美浜駅に行く。
へしこちゃんを描いた美浜町コミュニティバス
美浜駅には観光センターが併設されているが、随分手を入れて無い様だ。
美浜駅の美浜町観光センター
美浜のホームの待合室には、除雪機があった。
美浜駅ホーム待合室の除雪機
昨日泊まって時間ができたので、帰りは特急や新幹線を使わず鈍行を乗り継いで帰る、旅のクールダウン。
途中乗り換えの近江塩津駅、東京は雨らしいし、和歌山では電車が止まっているらしいが、こちらは山間を吹き抜ける風が心地良い。
近江塩津駅


丹生を出て竹波へ

部屋の窓を開けると、良い天気。
美浜原発を望む漁村 丹生
漁港に行くと、原発の向こうの定置網にかかった魚を、家々で食べたり、宿で出す為に売る所だった。
美浜原発を望む漁村での魚の水揚げ
宿を出て、敦賀半島を根元へ、海沿いに歩き、竹波(たけなみ)の集落とその前に広がる水晶浜を目指す。
途中、丹生から付き出た半島の先にある美浜原発に丹生を通らず渡る橋があり、そのたもとに「美浜原発PR館」という立派な建物がある。勉強なのでそこに入ってみる。
お姉さんに大型スクリーンで「原子力発電の仕組み」など教授して貰い、館内の案内もして貰う。
美浜原発PR館の原子炉型ディスプレイ
安全に留意しているらしい事は分かったけど、「これだけ安全に気を付けているんだから、何かあったら諦めるしかないよね。」という思いは伝わった。
水晶浜、ダイヤ浜を歩き、水晶浜に戻ってもまだ四時。
前日、丹生の宿から翌日泊まる所を探して美浜町のホームページに書かれた所に片っ端から電話をしたのだが、関電の工事の人が長期滞在していて駄目で、諦め今日の夕方六時過ぎに水晶浜を出るバスで敦賀から米原を通って新幹線で帰ろうと思っていた。
丹生のバス停で敦賀に行くバスとは別のバスの時刻表を見たので、今から次のバスを二時間待つのは苦痛だと、水晶浜の駐車場のおじさん達に訊いてみると、その内の一人が民宿のオヤジもやっていて、「ウチなら良いよ」との事。
別のおじさんは敦賀駅まで車で送って行ってあげると言ったけれども、今日急いで帰っても、長旅を終えた実感が無さそうで、民宿に泊まる事に。
軽トラックで送ってもらった宿は、古いけれども小綺麗な宿。
聞けば工事関係のお客さんは泊めて無いとの事、海水浴などで来る人を泊められなくなるからだそうだ。始めからここに「泊めて欲しい」と言えば良かった。
宿の窓から外を見る。
竹波の民宿の窓から
急だったので夕食はできないとの事で、近くの(そこしか開いて無い)寿司屋へ。これで最後の、若狭湾の魚を食う。
竹波の集落のバス停
明日は朝から電車を乗り換え乗り換え、東京を目指す。


丹生へ

丹生(にゅう)という敦賀半島の先の小さな漁村へ、敦賀駅から一日五本のバスで行く。
雨が上がり、向こうの雲間から明かりが差してきた。
敦賀駅から丹生へ向かう福鉄バスからの眺め
そしてついに見えてきた。
敦賀半島を走るバスから見る美浜原発
丹生は小さな漁村、向こうには、美浜原発がある。
敦賀半島の丹生の港から見る美浜原発1,2,3号機
泊まった宿も関西電力の工事関係者ばかり。一緒に宿の夕食を摂った人は敦賀半島のもっと先の、敦賀原発の工事に行くんだとか。
バスの運転手さんも、「丹生行くバスも、普通だったらとうに廃止になってる、残っているのは原発のおかげ。」と言っていた。
宿も、観光客の閑散期は工事関係者で潤って、寂れた村は原発で息を吹き返し、それが普通になり、それ無しではもう地域が立ちゆかなくなっている。原発というのは恐ろしく、難しい物だと思う。


雨の小浜を出る

起きて、部屋に持って来てくれる朝食を頂く。
菜っ葉のおひたしなんて久しぶりだ。
小浜の宿より外の町を見る
食べ終わって外を見ると、しっかり降っていた雨はぽつぽつ程度。
敦賀に戻る電車まで時間があったので散歩に出ると、またしっかり降っている。さっきは少し止んでいただけだったらしい。
小浜公園を歩いて、江戸時代、若狭藩の中心として栄えた小浜の花街だったと言う、三丁町(三つの丁目が集まって)を歩いて帰る。
結構良い時間になってしまったので、荷物を取って駅に向かう。
小浜駅までは三十分かからないと宿の人に聞いていたけど、歩きながら面白い物を見つけてカメラを向けたりしていて、五分程前に二時間に一本しかない列車の駅に着く。
小浜の町は静かな情緒のある所で寺も多く、また機会があったら来たい
敦賀に戻るけれども若狭湾は見えない、相変わらず雨は降っている様だ。
敦賀駅に着いたのが11:03、次に行く美浜町の丹生(にゅう)へのバスが出るのが13:10。
時間があるので今のうちに丹生の宿に電話をかけて、宿を取る。二軒断られ、三軒電話に出なかったけれども、やっと六軒目の店に決める。
敦賀駅前の店で昼食を食べながら、コンセントを借りてiPhoneを充電させて貰う。