再びのビジターズハウス・三崎・八幡浜

二十日の日曜日は伊方ビジターズハウスに再び行き、一時間半ほど滞在してから、八幡浜からのバスで昨日も行った三崎へ。
昨日も来たが、佐田岬半島のほぼ先端で、九州に渡るフェリーも出ているし、観光客も居るかと思ったが、そうでも無い。確かに平日と比べて人は居るのだが、フェリーターミナル周辺からすぐに車やバイクで佐田岬半島の根元に向かってしまい、三崎の町に滞在する人は無い。三崎の町は、ごく普通の老人の多い寂れた海沿いの町である。
三時過ぎに昨日と同じく、地元の物産を売っている直売所で、しらす御飯と太刀魚の刺身を買い、切って貰って昨日と同じく隣接の観光案内所で食べる。
四時のバスで松山に帰る。

二十一日の月曜日、今回の旅最後の日。今日も、八幡浜方面三崎行きの長距離バスの出る松山市駅まで、友人に車で送ってもらう。そぼ降る雨の週の始まり。松山は通勤にスクーターを使う人が多い。信号で停まる度に、車の前にスクーターに乗った人達が車の間をすり抜けて出てきて、ひやひやする。

八幡浜港から町を通って駅に行き、六時前の電車に乗れば良いと思っていたが、今夜の東京行きの寝台特急の部屋を確保していないというのも落ち着かないので、八幡浜駅でバスを降りて我孫子までの切符を確保してから、八幡浜の町を歩いて港に向かう。八幡浜港に着く頃にはちょうど昼時分となり、八幡浜港内の魚市場併設の食堂で、海鮮丼を食べる。おいしくない訳では無い、東京や我孫子の魚より余程おいしいのだが、三崎の魚の方が随分とおいしい。

八幡浜港から駅は歩いて数分で、八幡浜駅にはすぐに着いてしまう。しかも八幡浜の駅から港までは、後ろの山と前の海との間の少しの平地を利用して町が開けているので、彷徨うエリアも限られて、すぐに駅に着いてしまう。港から湾の奥に歩いてみたり、商店街を何度も行ったり来たりしてみる。

しかし結局(いつも「今日は時間がありすぎて、どうやって時間を潰そう。」と思っていてもぎりぎりまで彷徨う事になる)五時近くまで彷徨って、駅に帰る。
18:42の特急「宇和海」で八幡浜を去る。

松山に出て、友人から改札越しに荷物とお土産を受け取り、同じホームの前方に止まって出発を待っている「いしづち」に乗って松山を出る。検札に来た車掌さんの背中に埃の塊が付いているのを見つける。途中人身事故があって列車が遅れるから乗り換える人は車掌に言うようにという放送が入り、件の車掌さんがまた来たが、やはり埃の塊は付いたままだった。
坂出で降りていつもの様に「サンライズ瀬戸」を待って押し入れの様な部屋に潜り込み、寝る。

明朝、東京に帰る。


三机・三崎 へ

一昨日の18日は再び松山から佐田岬に向かうバスに乗り、前日乗った「加周口」の二つ先の「堀切大橋」で降りる。

前日回った九町や二見は尾根を走るメロディーラインから見て南側の集落だが、行った三机は北側にある。

三机(みつくえ)は、今の伊方町を構成する伊方と瀬戸と三崎、その町の一つ、瀬戸町の中心地だった所。

撮影を終わり、尾根に架かる堀切大橋まで歩く。一時間ほどで上る。

堀切大橋バス停横の「道の駅瀬戸農業公園」の食堂で、ようやく昼食。刺身がおいしい。

昨日の朝も同じ九時十分のバスで松山市駅を出る。
今日は、もう一つの伊方町となった町の一つ、三崎へ。

県立高校もあって、昨日の三机より大きな町。すぐ向こうは九州で、三崎と大分を結ぶフェリーが行ったり来たりする。

少し早く八幡浜行きのバスで八幡浜港まで戻る。バスに乗ると運転手さんが、「これから松山に帰りですか?」と。前日の松山市駅までと、その日の朝三崎に来る時の運転手さんだった。八幡浜までは他に客も居なくて、色々話した。

八幡浜港で降り、港を歩く。
どこかで見た様なオブジェのミカン版が。表面のミカン一つ一つは本物らしい。

八幡浜港から松山市駅行きのバスに乗って帰る。前述の運転手さんは「今日は土曜日だから大丈夫でしょう」と言っていたのに、道が混んで随分遅れる。
八幡浜港から乗った女性に「今日は土曜日だから大丈夫でしょう」と受け売りしていたのに、面目丸潰れである。

今朝もまた同じバスで三崎に向かっている。急峻な峠を越えて行く。


伊方へ

月曜日(14日)夜十時、サンライズ瀬戸で東京を出て、四国に向かう。
いつもは個室だったが今回は始めてノビノビ座席という仕切りのあるカーペット敷きの所を取る。
枕も無ければ浴衣も無い、電源が無くてiPhoneを充電できないのには閉口した。

坂出で降りて高松からの特急「いしづち」に乗り換え松山へ。松山の駅のコインロッカーにパソコンや荷物を全て置いて、カメラ一つぶら下げて、特急「宇和海」で八幡浜に行き、八幡浜からバスで伊方町役場へ。

町役場そばの食堂で、この日初めての食事をとる、日替わり定食650円也。

ぶらぶら歩く、伊方町役場のある中心部を過ぎて、海を見ながら漁村を歩き、

川永田から山に入ってつづら折りの道を上り、国道197号線(佐田岬メロディーライン)に沿って半島の先の方へ。再び海側に降りて行くと豊之浦の集落に下り、また小さな岬を迂回して山を越えると九町(くちょう)の集落に着く。帰りに乗らなければならない一日に六本しか無いバスが行ってしまうので急いでつづら折れの道を上っていったが、暗くなってくるし、車は結構飛ばして通るし、怖いので九町の入口に戻り、チワワを散歩していた地元のおじさんに訊き、タクシーを呼ぶ。

「すぐ行きます」と言ったタクシーを待っている間、そのおじさんと話をした。
上の国道の向こうにある原発から、仕事を終わった人達が九町の民宿に引き揚げてくるので、車通りがこの時間は多いこと。集落を通るバスが少なくなって(今は朝の一往復だけ)、お年寄りは皆困っているとの事、美浜と違って、ここら辺りの人は余り原発の恩恵を受けていないようだ。

タクシーは八幡浜の駅まで三千数百円。そこから千幾らかけて松山に戻り、また明日ここに来るならばここに宿を取った方が安上がりだったのかもしれないが、松山駅に荷物を置いてきてしまったので仕方ない。

列車で松山に戻り、荷物を取って友人の家へ。夕食は松山に来たらいつも行く魚のおいしい店。

翌朝は少ない佐田岬に向かうバスに乗って行く。八幡浜港から九州に行くフェリーが出ているので、殆どの人はそこで降りる。バスが九時過ぎ発だったので何も食べられず参っていたら、松山市駅で一緒に並んでいたおばさんに飴とおにぎりを貰う。三列独立の長距離バスで悠々と食事。

昨日タクシーを呼んだ九町(くちょう)に一番近い、「伊方ビジターズハウス」で降りる。九町に下ったら昼食など調達できそうにないなと思い、横の道の駅の様な所でカップラーメンとじゃこ天を食べる。焼き芋を二本おまけでもらい、それも食べる。

ビジターズハウスの展望台に上り原発を見る。伊方原発は人の居ない山の陰にあって、ここ以外殆どその姿を見る事ができない、つまり意識しないで暮らせる。

焼き芋をもう二本買い、懐炉代わりにポケットに入れて山を下る。車の通れない山道を教えて貰うが、結構な急傾斜で何度も滑りながらなんとか九町の集落にたどり着く頃には膝はガクガク言っている。

段々と下っていく。

降りていくと、建物の上に梯子をかけてペンキを塗っていた人が「今日はこっち周りよるんかーい」と、良く見たら昨日タクシーを教えてくれた犬の散歩のおじさんだった。

九町を歩いてから町見を通って海岸沿いに、二見へ。
今日はこの二見まで。昨日のようにバスを逃すことの無い様、早めに上の国道に行く。亀ヶ池温泉という地元の健康ランドの横からつづら折りの道を上っていく。
30分程前に、加周口という帰りのバスが来るバス停に着く。

八幡浜を通って、松山市駅へ。今回の旅で始めて道後温泉に入って体を休める