虐殺の歴史を美化する映画

映画「ヒトラー 〜最期の12日間〜」(予告編)を観た。
今まで(とかく西欧では)、ヒトラー=悪 で、その間の思考を許さなかったむきがある(ユダヤ人の「努力」によって)が、この作品はそのヒトラーの内面に光を当てた映画。と云いつつも、その「光を当てる」部分が、その台頭や大量虐殺を通り越して劣勢となって地下壕に隠れている「最期の12日間」だけに限定しているのも疑問に思ってしまうが。
ここで描かれるヒトラーは、「大いなる野望」を抱いた尾羽打ち枯らしたヨボヨボのおじいさんであって、もはや独裁者というのは過去の事だけである。
この映画にひかれたのは、予告編に引用されたこの論評。大抵「すごい」とか「すばらしい」というような宣伝文句のみを並べる所なのに、
「ドイツは虐殺の歴史を取り繕い美化しようとしている。(エルサレムポスト紙 イスラエル)」
という一言を持ってきたのはなんともはや、悔しいけれども、このイスラエルの新聞と僕は、あちら側の意図に見事にはまってしまった。
脚本の「ベルント・アイヒンガー」が、「この脚本を書いている内に、ヒトラーが段々と魅力的な人物に見えてきて、恐ろしかった。」というような事を云っていた(という新聞記事を見た)。


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