黒澤明特集続く その二

新文芸坐の黒澤明特集、これで終わり(のつもり)。
デルス・ウザーラ」(1975年)「どですかでん」(1970年)の二本立てを観た。
どちらも、「黒澤明作品」としては異色の二本。
「デルス・ウザーラ」はソ連(当時)側の要請を受け、黒澤明監督が出向いて撮影した、ロシアの調査隊と現地の案内人「デルス・ウザーラ」との交流の物語。
他の黒澤作品と比較すると(特に「」を観た後では)、殆どの撮影スタッフがロシア人であるこの作品は、いわゆる「黒澤美学」という物が、彼を支える「黒澤組」というスタッフ集団あっての物であったという事が良く分かる。
いや、様式美では無いという話。
「どですかでん」も、視線が社会では無く向いているという点で、代表的な「黒澤作品」とは趣を異にする(異論がありそうだが)。個々のエピソードを積み上げる事によって、貧乏ながらも皆が好き勝手に生きている「ゴミ溜め集落」(勝手に命名)の全体像を浮かび上がらせている。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です