「悲夢」

映画「悲夢予告編goo映画の紹介)」を観た。
キム・ギドクの映画は好きで大抵観ているのだけど、今やこれほど監督の名前だけで客を呼べる人も居まい。しかも毎回「極限の異常な愛」というテーマで。
毎回「極限の異常な愛」を見せられると分かっていながらそれを楽しみに行くんだから、キム・ギドクファンはマゾヒストか、それに理解のある歪んだ人間で、キム・ギドクの映画はSMクラブみたいなものか?
主演のオダギリジョーは日本語で喋り、それを意に留めず他の韓国人出演者は朝鮮語で話す。
この「暗黙のルール」で、文楽の人形の使い手が裃(かみしも)を着けて顔も出して人形に寄り添っているのに観客はそれを気にしない、というのをなぜか僕は思い出した。
最後に、購入したパンフレットのキム・ギドクの文章が良かったのでその冒頭から。
人はだれもが美しい愛を望みます。はじめは、心が騒ぎ幸せなものです。しかし、時の経過とともに、人は嫉妬と憎悪で傷つけ合うようになり、その記憶に苦しめられることになります。私はそういった「愛」に関するものがたりを、”夢”と”夢遊病”をテーマに作りたかったのです。…
こういう言葉が吐ける大人になりたいものだ。


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