落研へ

学習院大学落語研究会の若手勉強会
用事があって目白の学習院に行って、学生食堂で昼食を食べて帰ろうかと思ったら、落研(落語研究会)の人達がこれから新入生の若手勉強会をやるからとビラを配っている。
夕方まで用事は無いのでちょうど閑潰しに良いかと誘いに乗ってみる。
寄席に出てくる前座よりも余程下手な部類に入る人達だけれども、一所懸命大きな声で張り切っていた。
大学の落研が落語界の人材供給の場となっている昨今、こういう人達には頑張って欲しいと思う。
そして、僕が在学中から落語の魅力が分かっていたならば、落研に入りたかったなあとも。


春風亭一之輔真打ち披露興行

新宿の末廣亭での春風亭一之輔真打ち披露興行が今日で終わりだったので、行ってきた。
ともかく絶え間なく客をどっかんどっかん沸かせる、芸。
古典落語を良くも悪くもまああれだけ自由気ままに脱線させられるものだ。
師匠春風亭一朝(この人の話芸は師匠柳朝譲りのべらんめえの口調と静かで堅実な語り口が相まって、好き。)の放任が、良い形で現れた人だと思う。「あんなのは落語じゃないよ」と言う事は簡単だが、古典落語をあれだけ派手に演じる人も必要だと思う。しみじみ演じるのはこれから幾らでもできるのだから。
他の噺家が言っていたが、「桂枝雀に通じる狂気を感じる」高座。
実は一之輔氏は僕より年齢が一つ上。同世代の人が頑張っているのを見ると自分も勇気を貰う。
漫画の世界に入った某嬢は名声を得てもさして凄いと思わなかったけれど、彼は純粋に凄いと思う。


演歌の会から落語の会へ


こないだ来た時に魅惑されて、結局来てしまった、なかの芸能小劇場の入船亭扇橋一門会。
一門会というからには、師匠の扇橋も出ていたのだろうがチラシに名前は無し。ゆったりとした長閑な口調も最近は、噺が同じ所をぐるぐる回ったり飛んだりして聴く方をひやひやさせてしまっていたから、それも良いのだろう。このおじいちゃんの弟子は、扇辰や扇遊など、興味深い若手が育っているので、むしろそちらが目当て。
辰じん・遊一・扇辰・扇遊・扇里・扇治
小さな落語会というのは、芸のファンというよりも芸人個人を応援してそれに快感を覚えているという様な年配の男女が集まっていて、ロビーで「最近アイツもなあ」なんて常連とおぼしき方々が閉鎖的なコミュニティを作っていて気味が悪い。そういう人達が支えて大きくなっていく、それが芸人という物か。
噺に聴き惚れて、実家近所のヨドバシカメラでポイントで買った浄水器を会場に忘れてきてしまったのに気が付いたのが我孫子駅、また取りに中野まで行かなくては、トホホ。
実家近所の大きな樹の喫茶店で昼飯を食べていこうと思い、前の公園でベンチに座って開店を待っていた時の一枚。
結局その日は臨時休業とかで食べられなかったけど、よくある事なので気にしても仕方ない。


三遊亭鳳楽独演会へ

打ち合わせの後、日暮里に出て三遊亭鳳楽の独演会へ。我孫子からならば一本なんだけど、昨日から実家に帰っているので、随分遠い印象を受ける。
師匠の円楽が亡くなって周辺も本人も喧しくなってきたのか、随分客が増えている。
あんまり入って居ない会場でしんみり聴くのがこの人の芸なのだが、と言っては悪いか。
当り前というか、前からそうだけど、客は年寄りばかりだなあ。


三平堂落語会


根岸の三平堂(林家三平が住んでいた家を記念館にしている)の落語会の日。今日のプログラムはと先日見てみたら、林家いっ平、林家正蔵(こぶ平の)、が出て柳亭市馬がトリをとるという。これで千円なのだから、行ってみて損は無いだろうと思って行ったら、開演十五分前でこの人、普段はこんな混む事は無いそうで、やっぱりみんな考える事は同じらしい。テレビカメラも入っていて、朝の情報番組でやるんだとか。
プログラムには無かったけれども、最初に林家ペーがあのピンクのスーツで出てきて喋り、市馬がトリを勤めた後は、今度始まる平日朝の情報番組で正蔵がキャスターをやるとかで、そのうちあわせにきていたフジテレビの笠井アナウンサーという人が出てきたり、何やら賑やかな落語会だった。
目当てはミーハーにも上記の方々だったのだが、「古今亭菊六」という人も中々面白かった。
中入りでアンケートを配っていたので、書いて会がはねてから忙しく片付けをしている菊六さんに渡した。その時は「自分より幾つ上なんだろう」なんて事を思ったけれども、帰って落語協会のプロフィールを見てみたら、僕と同い年じゃん。
後ろで立ってみていたらさすがにふくらはぎが痛い。でも今日はかなり痛みもひいたぞ、まだまだ若いな、ヨシヨシ。


そば屋の二階にて

築地のそば屋「さらしなの里」の二階
築地のI社に行きがてら、築地の駅前(地下鉄の駅だから駅上か?)の、そば屋「さらしなの里」に行くと、人が一杯で「お二階へどうぞ」と言われた。
昼下がり、下でそばを手繰っていると、二階はいつも団体さんの宴会で、どうなっているのか一度行ってみたいと思っていたのだが、こうなっておりました。座敷があって、テーブル席が少し。
よくここでは噺家の桂右團治を呼んで、落語会をやるみたいなのだが、噺家を呼んで一席やってもらうには良い空間だろうね。


日暮里の寄席

地下鉄ももうすぐ開業のようで、時間もできて(できなくても行ったかもしれないが)、日暮里駅の近くにある公民館みたいな「サニーホール」に「日暮里特選落語会」というのを聴きに行ってきた。
布団をもう一つと思っていたので、柏で見て、日暮里へ。
日暮里の公民館みたいな「サニーホール」で、寄席みたいに色々落語会をやってくれるのは良い。
中央線沿線に居た頃は末広亭によく行ったけれど、今は新宿は遠いし、上野の鈴本は近いけれど、どっちみち圓楽一門や立川談志一門は閉め出されたままで、トリ以外の人の持ち時間は概ね十数分で、それぞれの噺をみっちり聴くという感じでは無いし。
寄席は寄席の良さが(色々な人の噺を聴けて時間に比べ料金が安くて、奇術や漫才や太神楽や紙切りや三味線漫談なんて芸も楽しめるとか。)あるんだけど。
最前列に女子高生がお母さんと二人で来て居た(なぜ女子高生と分かったかというと制服を着ていたからだ)。平日の六時半なんて年寄りしか来ないのだろうと思ったけれど、会社帰りのおじさんや、若いカップルなども居て、客席も明るかった。しんみり聴かせるというよりも、明るく笑わせる噺家が次々出てきて、けれども一人一人二十数分はしっかりやって、面白かった。
けれども面白かったからと言って、「また来よう」と思うかと言う気持になるわけではないから、落語は面白い。
いや一般論であってこの会の感想ではない。このただ楽しく笑う落語も、本寸法で良いよね。
中入りでロビーに出て携帯電話を点けたら、柏の靴屋から底が減ってきたので取り替えてくれる様に頼んでおいた靴について留守番電話が入っていた。どうせ柏をうろうろして、その店の前も通過していたのだから寄っておけば良かった。
出演者(出演順)
春風亭柳桜・立川談幸・桂小文治・柳亭燕路・三遊亭吉窓・立川文都
立川流の人は始めて聴いたのだけど、談幸という人は随分笑いを取っていて、二つ隣のおっちゃんはゲラゲラ笑いっぱなしだった。
立川文都という人は関西弁で上方落語っぽいし、先代の細い桂文我に姿形も話し方も似ているから、その弟子で談志の預かり弟子か何かかと思って家に帰ってインターネットで調べてみたら、彼自身のホームページによると最初から談志の弟子らしい。
前座は確か、立川松幸という兄ちゃんだったと思うけれども、噺を忘れない様に追うのが精一杯と言った感じで、早口なのがどうも。自分は知ってるストーリーだから良いんだろうけど。でも前座というのはこんな物か。その後出てきた柳桜さんが、「彼がもうちょっと長くやってくれればあめ玉を舐め終えたんだが」なんて言っていた。


七代目円生

ほぼ毎月日暮里でやっている、三遊亭鳳楽独演会に今日も行ってきた。
前から「円生の名を継ぐのはこの人だ」と思っていたけれど、先日朝日新聞の夕刊で師匠の円楽が「円生は鳳楽に、円楽は楽太郎に継がせようと思う。」という事をインタビューで語っていて、
そういう話は前からあったのは知っていたけれども、他の場所で円丈(圓丈)が「落語協会に残っている円生(圓生)の弟子は(破門された川柳と柳枝門下から移った円窓{圓窓}を除き)俺だけだもんな。」と言っていて、どうなるのかと思っていたけれど、
今日は会のプログラムに、その朝日新聞の記事の事も出ていて、「いよいよです」というような事も書かれていて、一緒に配られたイベントのチラシの鳳楽のプロフィールにも「七代目円生を近日襲名予定」と書いてあり、また中入り前の高座でも鳳楽自身、円生襲名の話に触れ「色々あったのもどうやら落ち着いて…」と落語協会分裂騒動からの軋轢の解決なんかもにおわせつつ、次の中入り後のトリで出囃子は正札附を使ってきて、「お…」と思わせ、もう八割方決まりなのだと思って嬉しくなった。
噺は相変わらず、ゆっくりとした時間の中で流れる。「愛宕山」は鳳楽にしては笑いの多い噺だったけれども、山の上に上がった描写は、見事だった。(当然それまでのヒーヒー言う登山の描写があっての事なのだが)
マクラの「自身が七代目円生を襲名する予定」という話の中で、「志ん生も固まったようですし…」って、誰なのかな?志ん輔だったら良いな。(真打ち披露興行に行った菊之丞も良いけど、彼なら今後期待できるし。)
落語の名跡は、偉大な先代(名を継いで歳を取った結果の)と比べてどうのという事ではなく、どんどんその名前をリレーのバトンの様に渡して行った方が良いと思う。
今は、録音ができる様になった時期と重なって、「昭和の名人」という様な事が言われているが、名跡を手の届かない所に祭り上げてそのまま葬ってしまおうとするのは如何なものかと思う。
例え六代目は七代目小さん(花緑)への繋ぎだと言われても…


また鳳楽を聴きに


眼に気になる事があったので、東大病院のいつもかかっている先生の所へ。
二時半の予約(今回は一昨日頼み込んだんだが)で、六時から日暮里の三遊亭鳳楽独演会に行くつもりだったのだけど、「まあ六時までの暇つぶしになるだろう」と思っていたら、診察が終わったのは五時頃で、本当に閑潰しになってしまった(検査もやったから仕方ないのだけど)。
今日は日暮里での三遊亭鳳楽独演会。前の様に、駅前の食堂「千葉屋」で腹ごしらえしてからと思ったら、「ご愛顧ありがとう御座いました…営業を終了致しました。」の張り紙。トホホ。落語を聴く前には良い、雰囲気の良い店だったんだがなあ。
仕方なく近くのモスバーガーへ。あまり落語を聴く気持作りには向かない店ではありますが…
モスバーガーの向かいにあった服屋(ニポカジ?)。実際の店舗はこのマンションの二階にあるそうです。


江戸は良い

気が付いたら前に書いてから半月程経ってしまったが、何の事は無い。
最近「働きマン」の様に(ちゃんとドラマは毎週視てるという余裕)机に向かって仕事(ホームページ作り)をしているだけなのだ。
お陰で、親指の爪がパソコンのキーボードのスペースバーに触れる部分が腫れて、文章を書いて「変換!」と勢い良くぶったたくと痛いぐらいだ。
ピアノをやっていたせいかパソコンのキーボードを必要ないのにバキバキ叩くのが好きで、これじゃとても他人様と机を並べて仕事などできないであろうと思う。
昼頃家を出て、新宿のコニカミノルタプラザに行く。
●フォト・プレミオ2007 平松伸吾写真展「華やかな街の中へ」
●フォト・プレミオ2007 竹下太郎写真展「望郷」
●長野重一写真展「遠い視線・玄冬」
恵比寿へ回り、東京都写真美術館で
東松照明「Tokyo曼荼羅」
昭和 写真の1945-1989 第4部「オイルショックからバブルへ」
を観る。
代官山までぶらぶら歩き、懇意のセレクトショップ「chocolata(ショコラータ)」へ。
山手線をぐるっと回って日暮里で、三遊亭鳳楽独演会へ。「品川心中」「鹿政談」を聞く。
腹ごしらえに、駅前の料理屋に入り、柳川を喰う。湯気をたてて土鍋が運ばれてくる。
柳川鍋
柳川鍋
甘辛い味がおいしい。
東北や四国も良いけど、やっぱり江戸は良いなあ。
二回目なので迷うことなく会場へ。
相変わらず何かの発表会みたいなホールに椅子が並べてあるのみ。
幾ら落語ブームといえども、寄席にも笑点にも出ていない噺家の会じゃあ、周りはお爺ちゃんお婆ちゃんばかり。
やはり鳳楽の噺は良い。安心して氏の提供する時間に身をゆだねられる快感というか。これで椅子がこのパイプ椅子みたいなんじゃなくて、もう少し柔らかかったらなあ。