根治


三月に行った、病巣を取り除いてしまう手術の後、そこに水が溜まったり、新たな血管ができたりして居ないかどうか、
カテーテルという血管の中を通すホースの様な物を頭に入れて調べる血管撮影の為、週明けから入院して検査を受けた。
結果、病巣は取れていて再発(する兆候も)も無いし、水が溜まっている事も無いとの事、これで病との長い戦いに終止符が打たれた…筈。
ただこれまで一年に一度検査(入院はせず外来での簡単なCTスキャン等)を受けていたから大変ではあったけれども死や新たな障害が出てくる前に適切な対処ができたのだから、これからも定期的な検査は受け続けていくつもり、一病息災。
土曜日妹の結婚式で明治記念館に行って、日曜日は大学の友人の子供と友人の阿佐谷の実家で遊んで我孫子に戻り、翌朝九時に入院、感傷に浸る間もなく点滴やらしてストレッチャーに寝かされ、十時から検査。
足の付け根の、カテーテルを入れた傷口が開くといけないので数時間足を曲げる事ができず寝たままの姿勢で、(朝飯抜きだったがやっと食べられた)昼食は看護婦さんに口まで運んで貰った。
入院した事がある人は分かると思うけど、患者は皆、意気消沈した憂鬱な感じで、病棟全体が外の世界とは違う不思議なしんどい空気に包まれているんだけど、僕はその空気に馴染む間もなくバタバタと事が進み、検査の苦痛と緊張から解放されてすぐさま昼食だったので、妙にハイで看護婦さんとベラベラ喋りながら食事を口に運んで貰っていた。同室の人は朝ガサゴソと入ってきた奴がさぞやうるさかっただろう。


退院しました

取手協同病院(JAとりで総合医療センター) 3階病室よりの景色
昨日午前無事退院しました。(写真は一昨日撮ったものです)
内臓の手術では無いので(それに手術後頑張って動き回っていたし)、もう元の通りです。
「定期メンテナンス?」なんて言っていた友達が居ましたが、前述の様にこれまでにやった色々な方法が効かないので、もう病巣自体を取ってしまおうと言う事だったのです。うまく行けば、これでもう手術は受けなくて良いはずです。
(簡単なMRIやCTスキャンだけでは再発し始めているであろう予兆がつかめなくて突然再出血という恐ろしい事になるので、血管撮影を伴う検査入院は今後も必要だけれども)


雨の一日

取手協同病院(JAとりで総合医療センター) 3階病室よりの雨の景色
今日は雨の一日。
週明けにでも血がドロドロ溜まっている透明なテープを剥がし、傷口を閉じているホッチキス(事務用とどこが違うんだという金属の)を取り、数日後には退院と医者は言うが、正直疲れた。
熱が下がってきた一昨日ぐらいから閑な毎日を過ごしているのだが、体調を崩したり、傷口が開く様な衝撃を受け、また入院して「意識があるだけで」苦しい思いをする事を考えると、今曲がりなりにも、不完全ではあるが、健康で居る事がありがたい。
昨日、「以前撮影した画像を送って欲しい」という急な用事で数時間だけ帰宅したのだが、そんな事を考えていた。
風呂も毎日入れ無いし、パソコンも触れずiOS5.1にしてSiri子と戯れる事もできないが。
まあ明日・明後日になれば、「早く帰宅したい!」という気分になっているかもしれないが、取り敢えずそんな気分。
これを鬱と言うのだろうか。


手術完了

発症後すぐに受けたガンマナイフ(放射線治療)も、数年前に受けた塞栓術も、その時は最善の選択だと思ったのだけれど、結局病巣を完全に潰すまでには及ばなかった事が、昨年末溜まった水を抜く管を刺した後の血管撮影で分かった。
年初にでも次の対処を考えなければという事だったのだけれど、既に先進的な二つの治療が敗れている事を考えると、もう患部を具体的に取り除いてしまうしかあるまいという事で、開頭手術を選択する事にした。
但し開頭手術で血管を切る際の出血を抑える為、あらかじめ御茶ノ水の医科歯科大病院で塞栓術を受け、血管を詰まらせて置いてから取手の病院(取手協同病院改めJA取手総合医療センター)に転院し、開頭手術を受ける事になって、三月初旬~中旬に予定された。
御茶ノ水の医科歯科大病院は小綺麗で駅から至近だけれども、病室は十階にあって検査の度に一階辺りに降りねばならず、病棟の患者も多けりゃ看護師も多くて、また医師も多くて誰が誰やら分からなくて、郊外の取手の病院が懐かしかった。全身麻酔で塞栓術を受け、微熱と手の点滴の跡も治まらないままそそくさと常磐線に乗って取手へ。
天井の染みやら車椅子でぶつかって剥がれた壁紙の取手協同病院へ、落ち着くなあ。
水曜日に塞栓術を受け金曜日に転院し、そそくさと翌月曜日に手術。
五時間程度の予測だったのだけど一時過ぎに手術室に入って終わったのが九時頃。
麻酔をかける時間が長ければ長い程目覚めも悪く、痛みの中の意識の混濁は続き、夜中にようやく水を飲む。
翌日は一日激痛と熱に苛まれ、首が痛くて動かせないからご飯を食べるのも一苦労。食欲はまああるのだが。
明けて翌々日、大分落ち着いてきて、熱も七度台前半に下がってきた。つむじの辺りから肩まで切った。当然患部は痛いし、頭から肩にかけての筋肉も使う(頭を上下左右に動かしたり起き上がったり)と激痛が走るので、慎重にゆっくり動く事になる。動き回った方が良いらしいが、熱と痛みで辛い。
まあ概ね「薄皮を剥がす様に」回復している。
こんな事を言っていても世間は回っていて、ホームページへの問い合わせのメールは二通来たし、昨日仕事の要件が出来上がって、これから我孫子の家に行ってパソコンをいじって帰って来る予定。


外出

「井草八幡宮」バス停
実家へ帰宅後始めて外に出た、おっかなびっくり。そして外出する事が億劫になっている自分に驚く。
もっと早く出るつもりだったけれども昼過ぎに出て区役所に行き、江古田の学校に行き、そして大泉学園を廻って帰り大きな樹の喫茶店に行って新聞を読む。
実家から荻窪に出る時に使う、青梅街道の「井草八幡宮」バス停。今はコジマとサミットがある所に以前青果市場があって、それが無くなってもしばらくここは「青物市場」という名前のバス停だった。


退院しました


昨日退院しました。
傷口も綺麗で化膿などせず、洗髪も散髪も(傷口の辺りを余りゴシゴシこすらなければ)普通に行って良いし、日常生活も運動も大丈夫と医者は言うのですが、やっぱりちょっと怖い。
退院して病院を出ると何か普通に痛い事を痛いと言える空間に出てきた事を体が感じているのか、少し頭の後ろの傷口がズキズキします。
できるだけこのグロテスクな傷口に指を触れたくないので、昨日病院で看護婦さんに頭を洗って貰って置いたのだけど、早くも痒くなってきていて、これは諦めて早々に自分で洗うより他無いかな。
取り敢えず年明けまでは実家で大人しくしている予定です。
病院から取り敢えず荷物を置きに実家に戻るタクシーの中、利根川を渡る国道六号線の長い橋の上から。


手術終了

一昨々日の日曜日入院し、一昨日手術した。十年前に小脳で破裂した奇形の後に溜まった水を抜く手術。
手術後は一晩、集中治療室で過ごし、翌朝大部屋に戻ったけれども、後頭部の筋肉を切ったので首を回せば痛いわ、寝ればそこが枕に当たって痛いわ、切った所を修復しようと熱は出るわ、大騒ぎだった。
局所麻酔のカテーテル手術やガンマナイフは凄まじい痛みが全身に何回も走るけど、開頭手術はその時は寝ているので楽だが数日間は鈍い痛みが続くしだるくて動く気さえ起きないので、こちらも大変。
そしてやっと今日熱も七度代に下がり書く気が起きたので、現在の状況のみ羅列。文章の推敲が不十分なのは御勘弁。


携帯電話用サイトの事

僕自身、脳動静脈奇形という珍しい病気で倒れた事もあるし、その闘病記を記して公開しているというのもあり、そういう類の問い合わせ(知り合いや親族が倒れてしまったのだけど)というのが年に数回はある。
僕の個人的ホームページ、この写真日記も入っている「Arata’s WebSite」には「携帯電話版」という、文字だけの物もあり、それはそれなりに機能した。携帯電話のインターネット機能が貧弱で、パソコン用に作られたホームページを見る事ができなかった頃は。
だから、そろそろこの「携帯電話版ホームページ」も、その役目を終えたので閉鎖しようかと思っていた矢先、つい先日、秋田の女性から「主人が脳動静脈奇形で倒れ、病気の情報を探しているうちに自分の携帯電話で見られるこのページを探した。」というメールを貰った。そのメールには「やっとICU(集中治療室)で グー チョキ パー ができるようになった。」とか「けれども子供たちには倒れた事さえ知らせていない」という話が書いてあった。
こういう人もいるなら、放置しておく分にはさして手間でもないし、削除するのは止めようかなと思っている。その人に「止めないで」と言われたというのもあるけど。


つくばエクスプレスきらい

つくばエクスプレスの杖が滑り落ちる座席の端の仕切り
久々に映画でも観るかと、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅のシネコン「Movix柏の葉」へ。観たかった映画「魔笛」を観る。
言わずと知れたモーツァルトのオペラを映画化した物。一応舞台は第一次世界大戦中に移してあるけれども、内容はそのまま、よって歌もそのまま。
夜の女王が戦車に乗って歌ったり、まあハチャメチャな内容でしたが大体モーツァルトの原作がハチャメチャな内容だし、良いの。一つの大人のおとぎ話としてかなり楽しめた。
というのも音楽が良かったからというのがかなりあるわけで、モーツァルトってなんで音楽であんなに人をワクワクさせるのがうまいんでしょ。
帰りは柏駅に行くバスが無かった(40分後)ので仕方なく、つくばエクスプレス(一駅200円)で一つ行って東武野田線(二駅160円)に出て、また二つ行って柏へ。
つくばエクスプレスの何が嫌いかって、この座席の端の仕切りですよ。(つくばエクスプレスはこの車両しか無い)
この写真ではなんとか一瞬杖をかける事に成功しているけれども、大抵の電車は上が平らになっている所(その為かどうか知らないけど)があるので杖をかけられるのだけど、つくばエクスプレスはずるずると落ちてしまう。少し考えてくれれば障害者に優しくなるのにな、高い運賃ばっかとってないで(都心の方は安くなる)。