九月の終わり、夏の終わり。


某所から手に入れた「笑点カレンダー」三ヶ月で一枚になっていて、七八九月は「落語中興の祖」「三遊亭圓朝(さんゆうていえんちょう)」。
落語の作者として今に残る人で、「眞景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」「牡丹灯籠(ぼたんどうろう)」と、夏に縁が深い。この他にも「鰍沢(かじかざわ)」は、(演者が巧い程に)とても冬には聴けない、雪深い山中の話。
演者が如何に巧くても、聴く側にそれに喚起される想像力が無ければ面白くない。聴く側も試される芸能、それが落語。
前述の通り本日、取手の病院に再伺い。「まあ良いでしょう」という事でめでたく「無罪放免」と相成りました。これで以前のように方々飛び回れる。


額に汗して働かなければいけないのか?


巷を騒がせている楽天ライブドアの仙台野球参入。
コツコツ会社を成長させてきた他のエラい人達から見ると、他の会社を買いあさってのし上がってきた、ライブドアの堀江なんて若造は気に喰わん。大体Tシャツだし。態度デカいし。
…という事らしい。
訳あって風雨の中、日本橋から銀座(東京都中央区)まで歩いた。途中で見つけた「警察博物館」。「こんなのあるんだ〜」と思って入ってみたが、警官に取り囲まれたような感じ(制服なんぞ展示してある)で、居心地悪い事この上ない。どこにこういう需要があるのだろう…?


「うまい」写真と「良い」写真


新宿のニコンサロンにて、「丸尾いと写真展 [Hawai‘i —holoholo life—]」を観る。彼女の今回の写真は、白黒の正方形の画面に、日常の風景を収めた写真。(彼女の九産大写真学科写真表現コース卒業制作
取り敢えず、いつものように休憩の椅子に杖や荷物を置いてじっくり観るのだが、ここで悩んでしまった。確かに「うまい」。ハワイの日常の風景の中で、「絵になる」ものを的確に拾っている。のだが何かそれまでのような気がして。
と云うけれども僕の単なる嫉妬なのかなあ?或いは自分に対する警鐘?
個人的には、ああいう「日常の風景」の場合、澱(おり)というか、陰というか、そういう底辺に流れる「暗さ」みたいなものが必要だと思う。僕はこういうのを「『幽霊が居ない』写真」というが。
どちらにしても若い(といいつつ当然のように僕より年上なのだが)。頑張って頂きたい。流れとしては、嫌いな写真じゃないんだけどね。
そのニコンサロンよりの、新宿トワイライト。


故郷に錦?物欲の発露

久々に、母校日芸(日本大学芸術学部)に行ってきた。用としてはさしたる物もない。グッドデザイン賞の審査員をして(去年からだけど)いて、「私の選んだ一品(グッドデザイン賞審査委員コメント集)」という本(リンクしようと思ったらまだ出ていなかった。従って去年の物。)を、「あげるから欲しかったらおいで〜」と云われたのだ。
その後、在学中より懇意にしていた(何しろ一年の時の担任)M先生に相談があり、研究室に伺う。
というのも、ベタ(ネガをそのまま印画紙の上に並べてそのフィルムの一覧を見るもの。「コンタクトプリント」「密着」とも云う。)をとるのが面倒くさい事この上ない。何しろこの数枚をプリントするために、台所を片付けて(何しろ我が家は台所兼暗室なので)、薬品を作らなければならない。で、良いスキャナーが無いかなと思ったのだが(こんな相談をする事自体失礼か)、それで知ったのがEPSONGT-X700という35mmのネガを24枚までまとめて取り込めるスキャナー。取り込んだ画像を作品としようというわけでもないので、フィルムスキャナーを買う事も無し。
一応このM先生の名誉のために云っておくけど、この先生自身は、僕のように古い銀塩写真(ネガを現像して、そこから暗室でプリントする。)はもうお終いという事で、デジタル写真において、銀塩写真のような細やかな表現をする事を研究しておられるのだ。僕にはよう分からんけど。
スキャナーを買ったら、悪乗りして小さい頃の写真やら載せるつもりなので、請う御期待。


120字の作文


いやはや、短い作文が、こんなに大変なものだとは思わなかった。
お仕事にて、「120字前後」という作文をしているのだが、学生時代から(某小学校の「生い立ちの記」に始まって)作文というと、800字で肩を落とし、1,600字なんて云うと全身の力が抜けて人生お先真っ暗な気分になり、2,000字というと自殺を考え…? た物だが、今ここで「写真について120文字前後」なんて事になると、「ローマ帝国の○○に関して××せよ」なんてのと違って、ある意味困る。
モロヘイヤをおひたしにでもしようと袋を開けたら、花が咲いていた。モロヘイヤの花ってこんな時期に咲くんだ…


元米国防長官の告白


毎日家に籠もっているのがそろそろ耐えられなくなって(これを日本語で「現実逃避」と云う。)、六本木ヒルズに(また例によって「Tシャツ+短パン+サンダル」スタイルで)映画「フォッグ・オブ・ウォー(マクナマラ元米国防長官の告白)」を観に行く。
「ヴァージンシネマ六本木ヒルズ」。今流行りの、「シネマコンプレックス」という奴は、野球場みたいな転がり落ちそうな急傾斜を自分の席目指して手すりのない階段(最早、「通路」と云える代物ではナイ。)を登ったり降りたりしなくてはならなくて、座ったが最後トイレにも行けず、はっきり云って嫌いなのだが、マニアックな映画はこういう所でしかやっていなくて仕方無いのだ。
「オヤジの顔を二時間も眺め続ける映画かよ…」と思っていたが、なかなか面白かった。確かにそれには違いないのだが、ベトナム戦争を指揮する当事者としての苦悩が現れている。
一市民は、安易に、そして無責任に「平和!」「平和!」と叫んでいれば良いかもしれないが、「敵を百万人殺さなければ、自国民が二百万人殺されるかもしれない。」という時に、指令官はどういう決断を下すのだろう。
それが、"the fog of war"。
というと、(この映画を観た方ならば)「広島、長崎の原爆投下が正当化されるのか?」という事になるだろうが、それは違う。「既に勝敗が殆ど定まっていたのに、それを決定したのは、自分も含めて『人道上の犯罪』だ」と彼も云っている。
私は、安易に「平和主義者」等と云う人を信じない。そういう人は、「自分が命を捨てれば、平和は守れるかもしれない。」という時に喜んで命を捨てて頂きたい。そういう時に一命を賭さない自称「平和主義者」の事を、「僥倖(ぎょうこう、只ボーっと口を開けて『良いことがあるといーなー』と思っていること。増田辞書。)」と云うのだ。
(あ、私はノラリクラリと生き延びる予定です。「平和主義者」じゃ無いからね〜)
現代日本で(というか世界共通だろうけれども)映画に求められている物といえば、「お腹イッパイ」なのです。高い金払って映画館に行く以上、「ハラハラ」「ドキドキ」「怖い」「感動」「大迫力」…等々 を味あわせてくれなければ意味がない。観客は残念な事に、会席料理ではなくて、オムライスを求めているのだ。
例に出して悪いけれども、それで「下妻物語」はヒットしなかった。「面白い」。「面白い」とは思う物の、CM的で、全てが軽かった。多少金のかかったテレビドラマ程度だった。
だからこの映画も「静かな波」で終わっていくでしょう。(大勢の)観客は、内容如何ではなく、映画館を出た時の「映画を観た〜(明日からガンバロー)」という充実感、「お腹イッパイ」を求めているのだから。
時間があったので、一つ前の「青山一丁目」の駅から歩く。喫茶店の人に「六本木、どっち?」と訊くまでもなかった。象徴的な塔目指していけば良いのでした。


純愛…? でしょう


買ったまま置いておいた韓国映画のDVD「悪い男」をやっと観た。
公開当初も観たのだが、この映画、自分が一目惚れした女子大生を、主人公のヤクザ男が売春街に騙して売り飛ばし、客をとり、「娼婦に変化していく」のをマジックミラー越しに秘密の部屋から「見守る」。という愛に満ちた?一編。
こういう内容だから当然、残念ながら一緒に行った女性との愛ははぐくまれませんでした(笑)。
しかしその女性(サムスン電子勤務・韓国好き・朝鮮語できる)によると、「居そう〜、ああいう男。」だそうだから、韓国にはこういう「愛=所有欲」みたいな図式の男が多いらしい。徴兵制度の弊害?


「コニルタパン」?


ちゃぶ台の上に買ってきたフィルムが放置。「コニカパン」が、コニカとミノルタの合併によって「コニカミノルタパン」になって、箱の上には(旧)ミノルタのお日様マークが。
合併後の新会社の社名は絶対「コニルタ」だと思ったのに…
「元々両者ともオヤジギャグみたいな社名(「コニカ」は「小西屋六兵衛店」という店の名前から、そこのカメラだから。「ミノルタ」は「田んぼが一面に実るように発展するように」という意味を込めて「実る田」で。)なんだから良いじゃん」と思ったのに。「コニカ」+「ミノルタ」で「コニカミノルタ」なんてつまらん。


日曜写真家


現在夜中の二時。今月は少々お仕事が立て込みそうな感じ(実は経験上、あらかじめこう思っておくと後で慌てふためく事がないというだけなので、実際はどうでも無かったりする。)なので、夜更かしして暗室作業。
霞を喰って生きていくわけにもいかないので、平日は(偶に)働く。休日は、作家活動(みたいな事)。土曜日も会社休みで良かった〜。トホホ。
最近見ている、ライブドア社長の日記。昼は大企業の社長に会って、夜は赤坂の高級料亭で飯喰って、六本木のマンションに帰ってブランデーを呑みながら眼下に夜景を眺めるなんて、そんな生活があるんですね。会社を興す気も、有名になる気も、英気も覇気も無い私には一生関係の無さそうな世界だけど。
彼(ライブドアの堀江社長)の売名行為云々が云われてるけど、僕がライブドアと云えば無料プロバイダーでこけた泡沫企業という認識であったのを変えたという点では、それは成功しているのかも。
しかし自社のブログを宣伝する為だけとは云え、自分の動静や思った事を当たり障りの無いように書いていくというのも大変だろうなと思う(親しい友人だけ見られる「裏ブログ」みたいなのがあったりして)。僕は幸い今のところ仕事上のお付き合いの関係には恵まれているけれども。
一応解説しておくと、暗室の定着液の中。本当にセーフライト(暗い赤い電球)だけで撮ったので、かなりぶれてます。ちなみに「液晶モニター」は、何も「モニター」してくれませんでした。真っ暗でした。