内戦、内戦、また内戦。

新文芸坐にて、1979年(昭和54年)のギリシア映画「旅芸人の記録」(テオ・アンゲロプロス監督)を観た。
以前、同監督の最新作「エレニの旅」を観て、過去の作品も観てみたくなったのだ。
そして今回昨日と今日(月曜と火曜)のみ、この映画をやると知って、行ってみた。行ってから気が付いたのだが、上映時間四時間。はっきり云って退屈です。でも観て良かった退屈。
物語は近代のギリシアの歴史絵巻。第二次大戦でドイツに占領され、やっと出て行ったと思ったら今度はイギリスが来て、ギリシア人同士の対立を煽られ、内戦、内戦、内戦。
何が退屈かって、戦争→平和→歓声→銃声→… とひたすら続くだけの数十年で、もうイヤになってきます。ホント人間ってバカだなあと思うと同時に、一旦この悪循環の輪の中に入ってしまったが最後、抜け出すのは並大抵の事ではないという事。


古い岸辺をてくてくと


一日家で仕事。作るのも面倒でこのままカップラーメンという悪の道に進んでしまいそうなので、洗濯物を取り込んでから、心おきなく一時間ほど歩いて喫茶店「Calla(カラー)」へ。
手賀沼沿いにただ柏方面に歩いていくだけなのだが、いつもの道はこの大きな沼が埋め立てられてから作られた、いわば「新しい岸辺」なので、元々の「古い岸辺」の道をくねくね。
車が一台やっと通れるかという道をてくてく歩いていくのは楽しい。
帰宅後、また仕事。とは云いつつ涼しくなったので、以前の様にトトロのお父さんよろしく、窓を開け放ち、ランニング(は着てないけど)でうちわパタパタしなくて良くなり、快適。


オーディオ一式鎮座ましまして


以前、父親の友人がアメリカに転勤になり持って行くの大変だからというので譲り受けたオーディオアンプは Technics V8 なる物一式を、昨日高校時代の友人の車で、実家から我孫子へ運んでもらった。
という訳でこういう状況です。
スピーカーは以前から使っていた物を流用しているのだけど、さすがにこれは不釣り合いかも。
んな事云ってないで、早く片付けないと…


「つくばエクスプレス」に乗る

関東鉄道キハ0系
仕事の撮影が守谷(茨城県守谷市)であり、その後打ち合わせが秋葉原(東京都千代田区)であった(というかそこにしてもらった)ので、自宅の我孫子から二駅、常磐線を海に向かい、取手から関東鉄道常総線で守谷へ。その後守谷からつくばエクスプレス(TX)で秋葉原へ一直線。
名称に英語を使ったり平仮名を使えば現代っぽいという根性が軽薄で気にくわないのだ。だったら「筑波鉄道」にすれば良いじゃん。あれ?どっかで聞いた事のある名前だな…
安いと云われていた運賃は「意外と」高い。都心側は確かに安い(「秋葉原」から隣の「新御徒町」まで160円)けど、郊外側は高く(「守谷」から隣の「柏たなか」までは240円)してある。それでも巨額の借金を抱えている事は間違い無いが、返済期限が四十年後だというので、最初は料金を安く設定しておいて、マンションやら建てて、沿線に人が住み始めてからじっくり料金を上げようという腹ではないかと思っている。だから沿線にマンションなんか買おうという方はご注意あれ。
というわけでつくばエクスプレスの写真なんか載っけると思ったら大間違い。できたばかりの鉄道より、昔からある鉄道の方が「萌え〜」なのだ。取手で常磐線を降りると待っていた、関東鉄道常総線のキハ0系


ご子息のためにマンションを如何?

仕事の撮影で、番町(地下鉄の駅で云うと半蔵門とか麹町とかその辺。東京都千代田区。)に行った。
場所柄、高級マンションやら広いお屋敷やら大使館があって、何やら襟を正される雰囲気。
ふと見ると、新しくできるマンションのモデルルームの宣伝のポスター。複数宣伝項目みたいなのがあるのだが、「不動産投資のために」や「オフィスとして」はまだしも、「ご子息のお住まいに」ってのは何だ!?
この広い日本のどこかには、「パパー、今度東京に出たいんだけど、住むトコ無いよ〜」「しょうがないなあ、番町にマンションでも買ってやるか。」ってな会話が交わされている家庭があるのだろうか?
その後代官山に行き、時間が空いているので小さなアクセサリーのお店をやっているマイミクの友人を訪問。
ソファーに座ってグータラ、音楽の趣味についてウダウダ云う。


武蔵野市立吉祥寺美術館

吉祥寺の伊勢丹の新館7階に、ひっそりと武蔵野市立吉祥寺美術館というものがある。というか数年前にできたらしい。
今、「亀倉雄策ポスター展」(9.25まで)というのをやっていて、常設展として「浜口陽三記念室」というのもあり、この銅版画家の作品が(水天宮にあるその人だけの美術館に行ってしまうほど)好きな私としては(八月三日からやっていたのだが)、いつか見てみたいと思っていたのだ。(「萩原英雄記念室」というのもあったけど、知らん。)一般の入場料百円というのもあり。
中はこじんまりとした感じで、それでいて物足りない感じも無く、日頃公立の巨大美術館に「こんなの一日で観られるわけねーだろ!」という思いを大いに抱いている私としては、この夏の吉祥寺の喧噪から隔絶された空間は、とても心地よく、「やっぱ(中央線沿線は)土地が高いだけの事はあるよな〜」と思いつつ、「駅前の百貨店の上に公営美術館があるなんて、柏とは文化程度が違うよな〜」と思うのでした。


代官山の落ち着き処


最近仕事の云々で良く行くのだが、代官山という所はとにかく、御飯を食べたり、落ち着く店が無い。
基本的には(高級らしいけど)住宅街であって、けれどもそこに小さなお店がちょこまかあるだけの、東急の小さな駅なのだ。
けれども、そのちょこまかある小さなお店(というか代官山という町を)目当てに田舎者人が(いそいそと)たくさん集まり、ここぞとばかりに金を使うので、何か駅周辺の休憩処は、どこもかしこも「高い」(恵比寿方面に出れば良いのだけど、面倒くさいし。)。そりゃ皆さん代官山に来るために日々働いて金貯めて(ここ一番のオシャレして)来るから良いかも知れないけど、仕事の用事で来ている私は非常に困るのですよ。高いながらも我慢して駅前の喫茶店などに居ても、ひっきりなしに電車から女の子数人の固まりみたいなのが降りてきて、入って、地図広げて、喋って、出て行く。
その繰り返しで、こちらは全く落ち着くという事が無いのです。
どこか落ちつける所は無いかな?と思っていたら、発見しました。駅から少し離れた奥まった所にある、喫茶店(食事も色々あります)。
写真は出て行く所。こういうコンクリートの階段を登った先に、あります。


秋山亮二写真展「なら」

新宿のコニカミノルタプラザにて、『秋山亮二写真展「なら」』(9月12日 {最終日は3:00pmまで}まで)を観た。
はじめにお断りしておくとこのお方は私の写真の師匠だ。
だからと云って色を付けて云うわけではなく、本当に良かった。実際昨年の写真展 『「日々のまつり」〜世田谷で〜』はよく分からなかったし。
写真の一枚一枚では無く、全体として、この町に流れるゆったりとした時間が写っている。手慣れた感じのスナップは、安心感があって心地よい。