映画を「雪に願うこと」を観た。
北海道の「ばんえい競馬」を舞台とした映画というのは知っていたけど、「ばんえい競馬」の泥臭さ、というか泥水と混じった雪(からっとした)臭さとでも言うのか、中央の競馬のように芝生もスマートな馬もない。
砂の上を鉄のそりに騎手(というか御者だな、あれは。)を乗せて障害の、山を足の太い、背の低い農耕馬に毛の生えたようなのがハーハー言いながらノロノロ進んでいく。観客の(言っちゃ悪いが汚い)おっちゃん達もノロノロに併せて観客席を移動しながら「行け〜!」とか「バカ〜!」とか言いながら移動する。そういう物が映画全体に流れていて、不覚にも感動してしまった。
生まれた田舎で、たまに厩舎の共同浴場で「東京に出て歌舞伎町でホストになる!」と冗談とも夢ともつかない事を叫びつつ、自分の範囲で生きていく、というより毎日をこなしていく人間の姿が、鮮烈に見える。僕にも、東京で事業に失敗して帰ってきた弟にも。