伊予長浜で昼食を

朝、松山の友人の家を出て鈍行で宇和島に向かう。まずは車内で朝食を摂るべく駅弁を買って乗りこむ。
松山から宇和島に行くには海岸線を通る長浜経由と、山の中をトンネルで抜ける内子経由の両方がある。
私は海を眺めながら行きたいので長浜経由で。

けれども宇和島に行く鈍行にはトイレが無く(山陰線の普通列車にはあったのだけど)、車内の席全てがロングシートだったし、弁当を広げる様な台も無かったので、途中下車してホームのベンチででも食べようかと「かぶりつき」で列車前方を見張る。
誰が決めたか知らないけれど「日本一夕日がきれいな駅」下灘駅の事は新聞で読んで知っていたのだが、そこで降りるつもりは無く、乗り合わせた若い男女が降りるのを見て降りようと思い、時刻表で乗り換えを見ていたら列車は出発してしまった。
仕方無く次の「串 (くし)」で降りる。
30分後の松山行きを待っていたのは一人の女子高生。

一つ折り返し下灘へ。先程ここで降りた男女が降りた松山行きに乗りこむ。ホームには私一人。
列車も人も去り、ホームのベンチに駅弁とお茶を置き、いざ朝食。

次の宇和島行きまで一時間少々あるので、少し離れた所にある下灘の集落までぶらぶら歩く。

下灘から宇和島に向かうも、そのまま宇和島に着いたらまだ数時間余ってしまうので、この海沿いのコースで一番大都市であろう伊予長浜で降りて海の幸を食う事にする。

「大都市」も昨秋に無人駅となってしまったらしい。
伊予長浜の町を歩いて海の幸を食べさせてくれる食堂を探すも、どこも空いていなく、途方に暮れて駅に近い極普通の食堂「かねや」に戻って入ると、「じゃあ向かいの魚屋さんで好きな魚買ってきなさいよ、料理はして上げるから」と。
一緒に着いてきてくれた「かねや」の奥さんが事情を説明してくれて、カワハギをいけすから出してさばいて刺身にしてくれた。


店に居た客から吞んでいた酒を貰って呑み始めてしまったので、14:18の列車に乗るのは面倒臭くなり、次の15:37にした。
14:18の方が着くのも早いけれども、途中の伊予大洲と八幡浜で乗り換えなければならない。次の列車ならば直接宇和島行きだ。腰を据えておいしいカワハギの刺身で一杯やり始める。
アラは奥さんが吸い物にしてくれたのだが、これが逸品で骨に付いた身がうまい。
列車にはちゃんと乗り、後は宇和島まで座っているのみ。随分外が暗くなってきた。着くのは六時過ぎ。


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