爺神山で人間の所業に思いを馳せる

東京行きの夜行列車は瀬戸大橋の四国側の袂の坂出を22:45に出る。
それまで時間があるから、あの人間の所業で半分欠けた山に行ってみたいと思った。
予讃線で行き来する度に見える、異様な山容。
高瀬駅で降りると、もう目の前に爺神山 (とかみやま) はその異様な姿を現している。
改札を出た所の店 (2月28日閉店だそうだ)(ウイリーウインキー高瀬店) でパンを買い、かじりながら線路沿いに踏切を探して歩く。ホームからはきれいに爺神山が見えるのに、改札口は跨線橋を渡った、山とは反対側にあるので、線路を越えて山側に渡るべく、踏切まで歩かなくてはならないのだ。
松山方向に戻っていくと、踏切があって、それを渡ると目の前に爺神山が見える。
そこから山に近づいていくと、ジグザグに山を登っていく道がある。
ジグザグ登っていると、歩いている道と合流する道に、犬を連れたおばさんと、その友人らしきおばさんが歩いてきたので採掘の跡はどう行けば良いのか訊く。
連れて行ってくれるというので、後を着いて行く。時折開ける眺望に感動したり、「不審者め!」とばかりに犬に吠えられたりしながら。
採掘場の跡に着く。
生活の為と言われれば何とも言えないが、これが心有る人間の所業か。ひたすら前をのみ見て自分のやる事に疑いを抱かず歩いていた高度成長期という時代の遺物がこれか。
今回の旅での、どの観光地よりもこの採掘場跡が心動かされた。
山の頂上から中腹より下までが削り取られて断崖絶壁になっている。


一人で探せば時間を要するであろうこのポイントに、御両人の案内のお陰でスイスイ行けてしまったので、今度はここら辺に多いであろうため池が見たいと言い出す。

山の後ろに降りて行き、ため池に案内してもらい、二人とは別れる。
高瀬駅に戻るが食堂の類は六時に閉まっており、18:35の高松行きで、東京行きのサンライズ瀬戸に乗る坂出まで出る事にする。

高瀬駅のホームから再び爺神山を見る。闇の中に浮かぶ山影は昼間よりも異様だ。

坂出に着いたのが19:15、サンライズ瀬戸が出るのが21:45。
駅前のジョイフルというファミリーレストランで、雑炊とドリンクバーで、粘る。
そういえば前も同じ店で同じ事をしたな。


「爺神山で人間の所業に思いを馳せる」への4件のフィードバック

  1. 不思議な場所があるんですね。
    勉強になりました。
    ドラマチックな旅いいですね。
    またのレポートを期待します!

  2. 自然の作り出した奇景というのは色々見たけれども、これが人間の作り出したものだということに驚いてしまいますよね…

  3. そういえば、伊吹山とか瀬戸内海の家島とか
    削られて見るに耐えない風景ってありますね。
    自然破壊の象徴としてもう少し話題に上がって
    いい気がしますね。
    悲しい話題ですけど。

  4. こんな馬鹿馬鹿しいことをした結果という事で、却って産業遺産として観光資源とすれば良いのに、と思います。
    こんな山が横半分無くなってしまう様な、目に見える形での環境破壊の跡なんて、中々見ることができませんよ。

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