混んだ美術館の歩き方


一昨日の月曜日、レンブラントを観に国立西洋美術館に行ってきた。
連休の狭間の平日だから多少はすいているだろうと思いきや、上野は凄い人出で、西洋美術館のチケット売り場にも結構な行列ができていて、切符を買うのに数十分かかった。
無論中も凄い人で、絵の前を順番に通り過ぎていくだけの、とても絵画を鑑賞するとは言えないスタイル。
当時は富裕層の人々が有名画家の版画を購入する事がステータスであったらしく(当然今の様に油絵の複製リトグラフなんて無かったので)、部屋に飾っておくには丁度良いのじゃないかなという白黒の小品が並ぶ、時々油絵。
レンブラントという人の絵は題材も描き方も保守的で過激じゃないから、取り敢えず壁にぶら下げておくには良い版画を量産したのだろう。
こういう混んだ美術展でも大抵の人は入場料分たっぷり取り戻そうと律儀に最初の所から見て行くけれども、当然途中で疲れてしまってじっくり観ている気力はなくなり、全体の七八割の所で大分空いてくる。
人間そうはたくさんの美術作品を数点じっくり鑑賞する様に観られない物なので、取り敢えず会場を早足で一巡して気に入った作品を見つけてから最初に戻り、それらだけを並んで観た方が良い。
美術展の入ってすぐの所などスーパーで言えば青果売り場なのだから、魚や肉のコーナーに行くまでに野菜を買い込んでしまってはいけないのと同じである。


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