シネコンについて考える(マイ・バック・ページ)


映画「マイ・バック・ページ」を観た。
映画評論家の川本三郎氏が若い頃、感情に流されて、過激派の人殺しに手を貸してしまった事実を淡々と描く。
「Always 三丁目の夕日」に代表される様な回顧の対象としての美化された「昭和」でなく、髪型も服もダサく野暮ったい「昭和」を丁寧に描いていて良い。
「理想に燃える若き革命家の過ち」ではなく、単に「セクトの親玉として名を馳せたい」とマスコミ(=アサヒジャーナルの川本三郎)を利用してのし上がろうとする犯人の過激派を、松山ケンイチが怪演。
僕の他には二人と、予告編上映中に駆け込んできた二人連れが居たのみだったけれども、このMOVIX亀有というシネコンでは、このいかにも客の入りそうもない暗い邦画を上映しても、他の「アンパンマン」やらハリウッド大作やらで十分稼いでいるから構わないのだろう。
一度にせいぜい数個の映画をやっている映画館ではとてもできない芸当である。
帰りは国道六号線まで歩いて金町駅行きのバスに乗る。


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