美術館と煙を見た


前も行ったのだが人が多かったので、再び上野の国立博物館に『プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展』を観に行ってきた。半世紀ぐらい前に、日本人には見過ごされていた江戸時代の絵を多く集めたアメリカ人「ジョー・プライス」さんのコレクションなのだけど、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の作品を集めた展示室に人が集まっていて、他は結構閑散としている。明らかにこの展覧会の趣旨?を忘れているな。
竹橋の国立近代美術館で「モダン・パラダイス展」なる展示をやっているのを見て、行こうと思い出てみたら、黒い煙がモクモク… 大きくて近そうだったので何かあそこら辺の建物でも燃えたのかな?と思ったが、家に帰ってニュースサイトを見回してみても何も出ておらず。
「モダン・パラダイス展」は、その名の通り近代美術の作品を一堂に会した展覧会で、パラダイスという位だから要はごちゃ混ぜなのだが、モネやゴーギャンの西洋絵画あり、藤田嗣治の戦争画あり、現代絵画あり、日本の写真作品あり、それらを時代というくくりで無理矢理にでもまとめてしまったのは、面白かった。
途中、見張りで座ってる女性が年配の客に「写真作品の前に書いてある『ゼラチンシルバープリント』って何?」と訊かれて答えに窮していたけれども、要はフィルムを使ったフツーの白黒写真って事です。今はデジタルだとかインクジェットだとか色々あるからね。以前ヨドバシカメラの写真用品売り場でもそんな事を訊いている客が居て店員は答えに窮していたけれど、
これまではアナログ写真が「普通」であったのだけど、今やそれにもっともらしい名前を付けなければいけない時代になったのです。残念ながら。


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