沖縄到着

朝の六時に前に奄美大島を出た船はひたすら南に島を伝って午後七時、那覇港着。
海から見える景色もやっぱり都会。
ホテルも林立し、ひっきりなしに空港には飛行機が降りて行って、「早く」「安く」都会から行ける手軽な「リゾート」である。

しかし暑い。奄美の暑さと違って、蒸される様な都会の暑さだ。
下船すると地元の人らしきおっちゃんが寄ってきて、「もう泊まるトコ決めてるの?」という。民宿の客引きらしい。
いつもなら即座に「もう決めてあるから結構です」という所なのだが、今朝奄美ユースの人が、港まで送ってくれる時に
「今日は誰も居ないんで、もし宿を決めてない人が船から降りて来たら泊まってくれる様言ってみるつもりなんですよ…」
と、か細い声で済まなそうに言っていたのを思い出した。
どうなったろうか。
フェリーターミナルを出ると、前に並んだタクシーに、次々と観光客は乗って去って行く。
後に取り残されたのは僕と外人カップル(前の日記の最後の写真に写っていた女性)だけ。宿の場所が分からない様で、英語で集まってきた客引き数人に道を聞いている。客引き数人は英語を解さないのか商売に関係ない人間に関わりたく無いのか、去って行った。
かわいそうなので片言の英語で話を聞き、宿の住所を聞いてタクシーに乗せて別れ、僕は一人 日の沈みゆく港を眺めながら、とぼとぼ宿へ向かう。
今宵の宿、「沖縄国際ユースホステル」は那覇港から歩いて十分の所にある二百人収容の交通至便な大きく豪華なホテル。フロントで鍵を渡されてエレベーターで上るとドアがずらーっと並んでいる。入ると天井の高い部屋に二段ベッドが三つ並んでいる。他にも客は居る様だが、グループ以外は皆一部屋に一人をあてがわれているらしい。
明日は観光するだけ。久々に、朝の時間を気にせず眠る事ができる。


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