ピータン中毒

最近、ピータンが大好きだ。
殆ど毎晩、ピータンを食べている。醤油をたらすとその香ばしい香りが硫黄の臭いと混じり合い、なんともウマい。
そもそも八年ぐらい前、中国に行った友人が青島(チンタオ)のピータンを買ってきてくれたのだが、そのまま部屋の隅に放置されていた。病気もし、しばらく入院して我孫子に戻りそれから数年、それを見つけたけれど、藁屑の混じった泥にまみれた不思議な物体で、気味が悪いので放っておいた。しかし数年前、ビニール袋の表に「皮蛋(ピータン)」と書いてあるのを発見し、台湾の友人の「保存食だから大丈夫だよ〜」という無責任な助言もあり、カラカラになった藁屑の混じった泥を崩して中の卵の殻を剥いてみた。皮を剥いただけの透過する黒い白身の状態だのに、既に強烈に臭い。いや臭いとかそういう話ではなく、目や鼻にツンツン来る何かのガスの刺激臭である。
しばらく放置しておけばガスが揮発して薄まるかと思いきや、一時間ぐらい置いてもツンツンは変わらず、仕方なく輪切りにしてみた。切ると先程以上の強烈な臭いで、おっかなびっくりそれを口に運ぶ。喉の奥がピリピリしてそのまま意識が遠のくんじゃないかと思ったが、ピリピリだけであった。次はそれを薄める為に醤油を垂らしてみると、結構いける。ピリピリと硫黄の臭いと醤油の香りがマッチして、至福の味であった。
というわけで、ピータンはうまい。二日に一遍は近所のスーパーで焼酎のお供にピータンを購入している。二個入って315円なので結構な物なのだが、やめられない。
いや、数日前に買ったピータンではあのピリピリは味わえないのであるが、それを心の中で再現しようとしているのかもしれない。
ともかくピータンはうまい。


「ピータン中毒」への2件のフィードバック

  1. 冷や奴の上に、万能ネギの小口切り、ピータンアバウト切りをのせて、醤油をたらして食べても美味しい。私も一時期凝ってました。
    ピータンも銘柄によって、味が違うよね。普通に買うと硫黄の臭いがマイルドなのが多くて、なにこれーっ!って思う。やっぱ臭くて濃厚じゃないとね。横浜中華街のは結構いけた。4年行ってないから最近はわからないけど。

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