社会より個人へ

国立近代美術館にて、「ゴッホ展 孤高の画家の原風景」を観た。(5月22日まで)客観的な「色」より、狂気にかられた主観的な、雰囲気としての「色」が、なんとも。
ゴッホの同時代の、いわば「おまけ」として展示された人々が豪華で、始めて実物を目にしたゴーギャンの絵に目が行った。
韓国映画「大統領の理髪師」を見た。
「大統領の理髪師となった市井の床屋の主人が翻弄される内部の政争と国家。」のような内容に期待して(予告編は明らかにそちらの方向に誘い込もうとしていた)観に行ったのだが、本編では社会よりも個人へと向かう主人公(市井の床屋)に視点が移っていって、どうも…
「個々人の幸福」を追求する事を非難するつもりは毛頭無いけれど、「映画」としての視点は(他の表現芸術と云われる物も併せ)、やはり時代の流れとして(韓国という国でさえも)、ご多分に漏れずそういう方向に向かってしまうのか、と思いつつ。


最後の卒展

築地に掛け取り納品に行きがてら、竹橋の国立近代美術館にて「河野鷹思のグラフィック・デザイン–都会とユーモア」(2月27日まで)を観る。美術館だから大きな部屋での展示かと思いきや、中の一室のみでの展示だった。
またも、常設展示の『所蔵品ギャラリー「近代日本の美術」』をちゃんと観たいなあと思う。後ろ髪を引かれつつ、撤退。
銀座の富士フォトサロンにて。
日本大学芸術学部写真学科平成16年度卒展』(3月1日まで)
「先輩風を吹かしてやるか」と意気込んで行ったのに、知ってる人居ない。
『日本写真学園卒業展』(3月1日まで)
学校が無くなってしまうので、今年で最後の卒展だそうな。「日芸最後の卒展」なんてイヤだな。無いよね、そんなの。
しかし相変わらずうるさいギャラリーだな。上を高速道路が走っているので、ガタゴト、ドシン、ドシン。


入るのがバカ?


昨夜のNHKで、地震で家を無くしたジーサンバーサンを登場させて、「もう立て直すお金も無いし…」と云わせて「やはり公的な保証が必要なのでは無いのでしょうか?」なんて事云っていたけど、毎月高い金払って「地震保険」っていうヤツに入っていた人はバカ?
数百万円のお金を否定する気は無いけど、個人の財産を国が保証するの?
それとも見せしめ?
千葉市美術館に、「伝説の浮世絵開祖『岩佐又兵衛』」展を観に行った(今日まで)。千葉の銀杏(いちょう)と、モノレールの柱。


天中殺?


芸術新潮のマティスの特集で予習をして、「マティス展」を再び観に行く。
iBookを持って行って、北柏の行きつけの喫茶店「Calla(カラー)」にてベタの選択(スキャナーで読み込んだ画像から焼く物を選ぶ)しようと思ったら、トイレに携帯電話を落としてしまった!以前壊してからまだ何日も経っていないのに…
何かこれ以上の災いが舞い込んでくると大変なので、「急がず、焦らず。」けれども心は焦りつつ我孫子駅からauショップへ向かう途中、先日のガラス屋さんに会う。
すみません、「ガラス戸の調子どう?」とかいう問題じゃないんです。
「また来たの?」という顔をされつつ(している様に思えた)、取り敢えず修理に出して、代替機を借りて、帰宅。また出費か…
気軽に「天中殺(てんちゅうさつ)」なんて言葉を使ってみたら、こんな深い物らしい(「算命学の世界へようこそ」より)。
朝起きたら、家の前が「霧」。手賀沼を中心とした盆地なので、霧が溜まりやすい。


介助者(「お友達」とも云う)は駄目なんだって


東京都現代美術館「ピカソ展−躰[からだ]とエロス−」を観に行った。
「ピカソ」である。泣く子も黙る「ピカソ」である。御大「ピカちゃん」である(かどうかは知らない)。
おなじみの「キュービズム」とか云う対象を多方面から観るように分解した絵。それが「この森の中に動物は何匹いるでしょう?」の絵みたいになっていて、とある部分が他の部分を兼ねていて奇妙に入り組んでいる(でもってあんな訳の分からん絵になるんだと思う。以上僕の解釈です。)ので、読み解こうとすると一つの絵の前に何十分も居なければならない。
「絵なんて所詮は場の空気よ」論の僕は、取り敢えず線の妙味とか印象とか、そういうのでボーっと見て回る事に決定。
それなりに楽しめたけど、こういう絵の見方にはあわないわな、この人。1,300円分観ようと、食い入るように(解説文を?)見つめている人達を尻目に、スタコラと退散。
チケット売り場周辺、至る所に「ピカソ展の障害者付き添いの方は有料となります。」の張り紙。こういうのもあるのね。一種・二種(障害者の等級?とは別に付けられた「付き添いがないとこの人行動できない」「できる」のお墨付き)とは関係なく、公立の施設は入場料が付き添いもタダになるのが普通だけど(なぜか二人まで。二人で支えなければ行動できない障害者が居るという事なのだろうか?)。


休憩室も美術館のうちよ

竹橋の国立近代美術館の休憩室
竹橋の国立近代美術館に、「木村伊兵衛展」を観に行く。一応云っておくと、「木村伊兵衛」とは日本の報道写真の巨匠です。日芸の入試の時、「好きな写真家は?」との問いに「木村伊兵衛」と答えたマセガキとしては、観に行かねばなるまい。
好きな写真家なので色々な所で観るのだが、有名な作品が並ぶと、どうしても似通ってしまう。
しかもおかしな構成で、同時にやっている「近代日本の美術」に混ざってある感じ。木村伊兵衛のオマケに岸田劉生やら藤田嗣治を観るのは精神衛生上大変宜しくない。これから(木村伊兵衛を)観に行く人は、第二部(二部構成)の方を先に観る事をオススメする。こちらは一応一つのフロアで終わるから。
新宿のコニカミノルタプラザにて、『フォト・プレミオ 笹谷美佳写真展「歩く」』(11月1日まで)を観る。
「歩く人」を「横から」「小さく」「正方形の画面で」写した写真群だが、コレクション写真(一つのスタイルに従った写真を並べる事を僕はそう云う)って難しいね〜。個人的には好きな類の写真なのだが(他のギャラリーでやっていた物より良かった)、もうちょっと広がりがあって良かったように思う。制限の中でもうちょっとのびのびしても良かった。
国立近代美術館の休憩室。「こちらに眺めの良い休憩室があります」とわざわざ書いてあったから好奇心で見に行ったら、なるほど皇居を望む「良い眺め」。美術館ったって美術ばっかりそう観ていられるわけじゃないから、こういう休憩室は良いと思う。
こういう所で女のコを口説くというのは安上がりで良いかも知れないぞ?夜景きれいそうだし。5時閉館だけど。


既知のマティス

上野の国立西洋美術館に「マティス展」を観に行った。「本物のマチスを観るなんて始めてだな〜」なんて思っていたら、こういう大規模なマティスの展覧会は日本では二十三年ぶりだとか。
マティスといえば「色彩の画家」というイメージだが、その通り。印刷物にすると浮ついた色になってしまうが、なんとも深い色同士の微妙な組み合わせによる作品で、「なんでこんな色使いができるんだろ…」としばし唖然。
けど「なんでこんな混んでるんだろ…」という位混んでいた。平日の昼間であるに関わらず。大抵会期が終わりに近づくと混んでくるから、早く観た方が良いかも。
「本物」の凄さを見せつけられた展覧会でした。また行こう〜


福祉イベント大盛況!(華氏911)


お台場の国際展示場にて行われた、「第31回国際福祉機器展」というやつに行ってきた。会場は閑散としたものかと思いきや、押すな押すなの大盛況。障害者や「仕方なく来た」という風情の福祉施設の関係者だけでなく、他の一般の人や、制服姿の女子高生まで居たのにはびっくり。いつの間に「福祉」はこんなにトレンディになったんだ?
諏訪田製作所なる所のぐにゃぐにゃと曲がった鉄パイプが杖になったような、「ALSTICK」なる不思議な逸品を発見。気に入って色々と文句を付ける(じゃなかった。「要望する」だった。)。
映画「華氏911」を観に行く。ブッシュ(米)大統領に批判的な内容ばかり切り貼りして作った映画は、悪人(ブッシュ大統領とその周辺)が決まっていてそれなりに「爽快」で、観る側は何も考えなくて良くて、映画から垂れ流される一方的な情報を口を開けて観ているだけで良くて、「お腹イッパイ」にはなるのかもしれないが、あれは(前作の「ボウリング・フォー・コロンバイン」を含み)ドキュメンタリーとは云えないと思う。
映画の最後で彼(監督のマイケル・ムーア)は「(ブッシュ大統領に向けて)もう騙されないぞ」みたいなことを云っていたが、私はそれを彼に向けて云いたい。独裁者というものは、民衆の味方のような顔をして近づいてきたのだから。
お台場からの帰りのバスの車中より。


旧朝香宮邸美術館

東京都庭園美術館内の階段
浅草演芸ホールに出かけたが、混んでいたので落語は諦めて新宿のコニカミノルタプラザに写真を観に行く。浅草〜新宿は、都営地下鉄を使ってタダで済ます。
存外にも、プレミオ(新人賞)の二作品よりも、『ワンダーアイズ写真展「Viva! ブラジル〜アマゾンからスラムまで、子どもたちが写した世界〜」』という奴が面白い。世界の様々な国の子供たちに使い捨てカメラを渡して、自由に撮ってもらおうという企画。他の二作品が「高い光学性能を持った機材による、突き詰めた一瞬」であったから尚の事、そのカメラ(と云っても「撮りっきりコニカ」だが)を持つ子供たちの気負い無い視線に、好感を持った。小難しい話は嫌いだけれども、写真の歴史的に云えば、「ラルティーグ」の少年時代を思わせる筆致。
目黒の「東京都庭園美術館」に、以前から観たいと思っていた「幻のロシア絵本 1920−1930年代展」を観に行く。
旧朝香宮邸内部を美術館として公開したこの建物は、居間や寝室(無論片付けられてはいるが)がそのまま使われていて、建築としても一見の価値あり。開け放った浴室をのぞき込むと絵が展示してあって驚かされる。


ハナズルズル


グッドデザイン賞候補の数百点の展覧会「GDP2004」を観に「東京ビッグサイト」なる所に行く。
昨日で仕事が一区切りついて、「今日はゴロゴロするぞ〜」なんて思っていたら、懇意にしているデザイン学科の先生から、「いつ来るの〜?」とメールが来て、今日が最終日であった事に気付く。
未来のデザイナーを育てる学校として出展していた大学は日芸(日藝)の他に、筑波多摩美武蔵美東海大。それぞれ各大学の特徴を表していて面白い。
筑波はお金はなくともシンプルに知性を表している。(「やる気あんのかいな〜」という気がしないでもないが)
東海大は派手な展示だが中身無し。ソーラーカーなんかドーンと置いてある(他の所は場所・金がないのか模型がせいぜい)。インパクトは文句無くあるんだけどね〜。
しかし日芸、私立の中で一番金かかって無かったぞ〜?(意欲は認めるが)
最近急に涼しく(というよりむしろ寒く)なってきた(関東地方)せいか、気が抜けたせいか、鼻水が止まらん&だるい。
夏休み最後の週末、しかも天気ぐずつく、というわけでお台場の道路は混雑(主に悪いのはフジテレビ)。