写真家の生き方


先日、「東京都写真美術館」に行った際、併設された本屋さんで買った荒木経惟写真集「風光の済州島『漂流』(アートン)」をやっと観た(と云っても半分ぐらいだが)(立ち読み)。
「アラーキー」の写真集ということで、ヌードなんか期待している方は残念、韓国の済州島を撮影した白黒写真です。「荒木経惟(アラーキー)」という人は、「センセーショナルなカメラマン」という反面、「写真作家」としてこういった作品を世に送り続けている人なのです。
ある程度売れるであろう事を予測してか、2,500円。ハードカバーの写真集としては価格破壊。
内容は、とても良い。ヘアヌード写真集とは違って万人受けする内容じゃないけど。
あ、昨日やっと電気釜来ました。一週間と一日、御飯の炊けない生活を強いて置いて「ありがとうございました〜」じゃねーよ!競争の無い世界なのか、競争を放棄したのか。十円ぐらいで安いの高いのと云わなくて良いから、もうちょっと何とかして欲しいぞ、ケーズデンキ
現像に失敗した、最近撮影している利根川の写真のネガのベタ。


行動の記録です

再び、日芸の学園祭、「芸術祭(通称ゲーサイ)」に行く。
二度も出身大学の学園祭に行くのは、別に先輩風を吹かせたかったからではなく(大体、二年ごとに校舎が分かれている現在の日芸では知り合いが居ない)、もう一度「芸術資料館」にて、「オリジナルプリント展 ファインプリントの巨匠たち(19日まで)」を観たかったから。
写真学科の学科センター(職員室みたいなトコ)で、下らない話(柏にビックカメラができるとか、落語の話とか…)で柏在住のM先生と盛り上がった揚げ句、麹町のJCIIのフォトサロンへ、
土田ヒロミ作品展 「砂を数える」』(28日まで)(本人のWebSite)を観に行く。最近大阪芸術大学(どうでも良いけど「芸大」と略すな紛らわしい!プライドは無いのかプライドは!)の教授にもなられたお方。
会場に置いてあった写真集「俗神」の方が良かった…なんて云っちゃあいけないか。
(何か僕がここで色々な物に云いたい放題云ってるけど、それは僕の見方である。実際それを観て「観る価値無し」と云うのと、観ないで「観る価値無し」と云うのは絶対違う。)
あ、携帯電話、昨日直りました。祭日を挟んで帰ってくるとは… (もっとも単に新しいのに交換するだけなんだけどね)
ここ数日で、すっかりauショップ我孫子店のお得意さんになってしまった…


ゲーサイ


日芸の学園祭、「芸術祭(通称ゲーサイ)」に行った。
工事中の校内は、至る所が立ち入り禁止で、けれども人出は変わらなくて、凄い混雑だった。祭日だったし。
校内の「芸術資料館」にて、「オリジナルプリント展 ファインプリントの巨匠たち(19日まで)」を観る。「エドワード・ウエストン」「アンセル・アダムス」「ウィン・バロック」「マイナー・ホワイト」。「やっぱ(この人達の場合)オリジナルのプリントは違うわ」と思いつつ「こんなの持ってたんだ」。受験生向けの精一杯の背伸びの様で…


休憩室も美術館のうちよ

竹橋の国立近代美術館の休憩室
竹橋の国立近代美術館に、「木村伊兵衛展」を観に行く。一応云っておくと、「木村伊兵衛」とは日本の報道写真の巨匠です。日芸の入試の時、「好きな写真家は?」との問いに「木村伊兵衛」と答えたマセガキとしては、観に行かねばなるまい。
好きな写真家なので色々な所で観るのだが、有名な作品が並ぶと、どうしても似通ってしまう。
しかもおかしな構成で、同時にやっている「近代日本の美術」に混ざってある感じ。木村伊兵衛のオマケに岸田劉生やら藤田嗣治を観るのは精神衛生上大変宜しくない。これから(木村伊兵衛を)観に行く人は、第二部(二部構成)の方を先に観る事をオススメする。こちらは一応一つのフロアで終わるから。
新宿のコニカミノルタプラザにて、『フォト・プレミオ 笹谷美佳写真展「歩く」』(11月1日まで)を観る。
「歩く人」を「横から」「小さく」「正方形の画面で」写した写真群だが、コレクション写真(一つのスタイルに従った写真を並べる事を僕はそう云う)って難しいね〜。個人的には好きな類の写真なのだが(他のギャラリーでやっていた物より良かった)、もうちょっと広がりがあって良かったように思う。制限の中でもうちょっとのびのびしても良かった。
国立近代美術館の休憩室。「こちらに眺めの良い休憩室があります」とわざわざ書いてあったから好奇心で見に行ったら、なるほど皇居を望む「良い眺め」。美術館ったって美術ばっかりそう観ていられるわけじゃないから、こういう休憩室は良いと思う。
こういう所で女のコを口説くというのは安上がりで良いかも知れないぞ?夜景きれいそうだし。5時閉館だけど。


ゴチョーシゲオ


中央線三鷹駅(東京都三鷹市)前の「三鷹市美術ギャラリー」にて、「「牛腸茂雄展 ─自己と他者─」を観る。
「牛腸茂雄」と云う人、「ギューチョー」ではない「ゴチョー」らしい。本名は「牛膓」だけれども「牛腸」らしい。ややこしい。
生前は作品が評価されなくて、若くして死(夭折)ねば、これは「伝説的芸術家」の資格たり得るものでしょう。
生前、三冊の写真集を出していた(もちろん自費出版)が、最後の写真集の写真なるものを観ると、悪いけど「死んで良かったのかも」と。
三冊目の写真集のみカラー。心理的な人間の内面まで写す事では、やはり白黒かな?と。カラーというのは、余計な情報が入りすぎる。彼は、色という「情報」というか「表現」を使いこなしてはいなかった。
一部の作品で、自分の影が作品に落ちて、観にくい事この上ない。何とかして頂きたい。
帰りに喰った、吉祥寺のそば屋「U」にて。


プリントと天候

芝浦のPGI(Photo Gallery International)に『三好耕三作品展「海廻り」』を観に行った。
内容は、氏お得意の8*10(インチのフィルムを使う)カメラで、三脚に固定して日本の海岸線の風景を写した白黒写真。プリントは、総じて評判通り巧いが、その巧拙は、現場の天候にやはり左右されてしまうなあという印象。
私は、写真のプリントなどに注力する余り、内容を置き去りにしてしまうのは本末転倒であると考えているのだが、プリントで見せる写真は(少なくとも観る側はそう観たが)、それが目立ってしまって。
ここPGI(Photo Gallery International)は、写真のプリント(紙焼き)を商品として扱う、特異な考え方をしている。しかし市井の人々には、写真の値段なぞ、ネガから幾らでも複製できるコピー程度にしか思われていないから、一枚十数万円などとても信じられない値段に違いない。
こういう考え方が日本にも浸透してくれれば、「写真作家」と云われる人々ももう少し生きやすくなるんだろうけどね。


「うまい」写真と「良い」写真


新宿のニコンサロンにて、「丸尾いと写真展 [Hawai‘i —holoholo life—]」を観る。彼女の今回の写真は、白黒の正方形の画面に、日常の風景を収めた写真。(彼女の九産大写真学科写真表現コース卒業制作
取り敢えず、いつものように休憩の椅子に杖や荷物を置いてじっくり観るのだが、ここで悩んでしまった。確かに「うまい」。ハワイの日常の風景の中で、「絵になる」ものを的確に拾っている。のだが何かそれまでのような気がして。
と云うけれども僕の単なる嫉妬なのかなあ?或いは自分に対する警鐘?
個人的には、ああいう「日常の風景」の場合、澱(おり)というか、陰というか、そういう底辺に流れる「暗さ」みたいなものが必要だと思う。僕はこういうのを「『幽霊が居ない』写真」というが。
どちらにしても若い(といいつつ当然のように僕より年上なのだが)。頑張って頂きたい。流れとしては、嫌いな写真じゃないんだけどね。
そのニコンサロンよりの、新宿トワイライト。


故郷に錦?物欲の発露

久々に、母校日芸(日本大学芸術学部)に行ってきた。用としてはさしたる物もない。グッドデザイン賞の審査員をして(去年からだけど)いて、「私の選んだ一品(グッドデザイン賞審査委員コメント集)」という本(リンクしようと思ったらまだ出ていなかった。従って去年の物。)を、「あげるから欲しかったらおいで〜」と云われたのだ。
その後、在学中より懇意にしていた(何しろ一年の時の担任)M先生に相談があり、研究室に伺う。
というのも、ベタ(ネガをそのまま印画紙の上に並べてそのフィルムの一覧を見るもの。「コンタクトプリント」「密着」とも云う。)をとるのが面倒くさい事この上ない。何しろこの数枚をプリントするために、台所を片付けて(何しろ我が家は台所兼暗室なので)、薬品を作らなければならない。で、良いスキャナーが無いかなと思ったのだが(こんな相談をする事自体失礼か)、それで知ったのがEPSONGT-X700という35mmのネガを24枚までまとめて取り込めるスキャナー。取り込んだ画像を作品としようというわけでもないので、フィルムスキャナーを買う事も無し。
一応このM先生の名誉のために云っておくけど、この先生自身は、僕のように古い銀塩写真(ネガを現像して、そこから暗室でプリントする。)はもうお終いという事で、デジタル写真において、銀塩写真のような細やかな表現をする事を研究しておられるのだ。僕にはよう分からんけど。
スキャナーを買ったら、悪乗りして小さい頃の写真やら載せるつもりなので、請う御期待。


「コニルタパン」?


ちゃぶ台の上に買ってきたフィルムが放置。「コニカパン」が、コニカとミノルタの合併によって「コニカミノルタパン」になって、箱の上には(旧)ミノルタのお日様マークが。
合併後の新会社の社名は絶対「コニルタ」だと思ったのに…
「元々両者ともオヤジギャグみたいな社名(「コニカ」は「小西屋六兵衛店」という店の名前から、そこのカメラだから。「ミノルタ」は「田んぼが一面に実るように発展するように」という意味を込めて「実る田」で。)なんだから良いじゃん」と思ったのに。「コニカ」+「ミノルタ」で「コニカミノルタ」なんてつまらん。


日曜写真家


現在夜中の二時。今月は少々お仕事が立て込みそうな感じ(実は経験上、あらかじめこう思っておくと後で慌てふためく事がないというだけなので、実際はどうでも無かったりする。)なので、夜更かしして暗室作業。
霞を喰って生きていくわけにもいかないので、平日は(偶に)働く。休日は、作家活動(みたいな事)。土曜日も会社休みで良かった〜。トホホ。
最近見ている、ライブドア社長の日記。昼は大企業の社長に会って、夜は赤坂の高級料亭で飯喰って、六本木のマンションに帰ってブランデーを呑みながら眼下に夜景を眺めるなんて、そんな生活があるんですね。会社を興す気も、有名になる気も、英気も覇気も無い私には一生関係の無さそうな世界だけど。
彼(ライブドアの堀江社長)の売名行為云々が云われてるけど、僕がライブドアと云えば無料プロバイダーでこけた泡沫企業という認識であったのを変えたという点では、それは成功しているのかも。
しかし自社のブログを宣伝する為だけとは云え、自分の動静や思った事を当たり障りの無いように書いていくというのも大変だろうなと思う(親しい友人だけ見られる「裏ブログ」みたいなのがあったりして)。僕は幸い今のところ仕事上のお付き合いの関係には恵まれているけれども。
一応解説しておくと、暗室の定着液の中。本当にセーフライト(暗い赤い電球)だけで撮ったので、かなりぶれてます。ちなみに「液晶モニター」は、何も「モニター」してくれませんでした。真っ暗でした。