久々に善福寺(東京都杉並区 中央線「西荻窪」駅)の実家へ。近所の善福寺公園。夏の午後。
知り合いの山田南美さんがお姉さんの山田美帆さんと一緒にピアノのコンサートをされるという事なので、上野の旧東京音楽学校奏楽堂へ。
僕は「ゲージュツ」なんてものを細かく解説する事は「評論家」の方々にお任せしておいて、観る(聴く)人間はそこの空間に身をゆだねる事が「芸術を鑑賞する」事だと思う。それを無理に理解しようと思うから、その糸口を探って、解説文なんかをくどくどと読む事になる。
と云うわけで、何が云いたいかというと、「訳が分からなかった」という事が云いたいのだ。恥ずかしながら、「やっぱりアシュケナージ(日本にファンも多い有名なピアニスト。CDを数枚持っている。というかピアノのCDを買うと弾いているのが実はアシュケナージだったりする。)は凄い」なんて事は微塵も思わなかった。只、薄暗い空間とピアノの音、蝉の音(防音の悪い旧東京音楽学校奏楽堂では外部の音がかなり入ってくる)、非常に良い空間に浸れたと思う。
こういう事の為に3,500円を費やせる人間を「贅沢」というのだ…?
行田って、…行田です。
プライド
今日はゴミの日(「燃える」「燃えない」の区別はない)なのに、起きたら八時半。八時半までには出さないといけないので(実家の方などそうは云っても実際取りに来るのはお昼頃なのだが、ここは九時頃までにはゴミ屋さんが行ってしまう。)大慌て。
余りの暑さに今年始めて扇風機を点けて寝たのがいけなかったらしい。「快適」って恐ろしい…
「警察の威信をかけた捜査」とかで何かバカでっかい施設を使って最新の科学捜査で、九年前の「国松孝次警察庁長官狙撃事件」が再び動き出しているらしい。そりゃまあ結構だけど、"たかが" 大人一人怪我をしただけの事件は「執念の捜査」ってのをやって、女子高生が殺された事件やら、世田谷の一家殺害事件やら、朝日新聞阪神支局襲撃事件やら、そういう事は「後回し」?
あの事件の為だけにあの施設を作ったんじゃないんだろうけど、「警察の威信」という言葉を聞く度に、そういう事を思ってしまう。
「プライド」(日本語で「意地」とも云う)ってのは、往々にしてろくな結果を生まない。
「真珠の耳飾りの少女」と「陰翳礼讃」
「映像の力」というものが、あると思う。
映画「真珠の耳飾りの少女」を観た。
フェルメールの同名の絵画に絡めた作品だが、「映像の力」というのは、多分にその評価を占めるものだと思う。内容も含め、良い作品だと思う。
全編が、フェルメールの絵画のような、陰の多い映像によって形作られている。そういえば、俳優も陰があるし。
今、「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」(谷崎潤一郎著)を読んでいるのだが、奇しくもその「日本人の美意識」とでも云うべき映像によっている。「陰影礼賛」とは、私が勝手に紹介文を書くと、「ケバケバしい物も、暗闇の中にひっそりと存在する時、それは美しい。」という話。これ以上は読んでください。
千葉に住んで良かったと思える一時間
毎週月曜日午後7時から一時間、千葉テレビの「浅草お茶の間寄席」。番組名だけでもう内容の説明も必要ないと思うが、「浅草の寄席(浅草演芸ホール)の落語をそのまま撮ってテレビで流す。」番組。
落語を流す番組というとNHK教育テレビ毎週土曜の「日本の話芸」があるが、こちらは、大きなホールで一人の演者が喋る、というもの。「天下のNHK」だからカメラを何台も使って演者の表情をとらえる。
対してこちらは後ろに真打ち披露の幕がさがっていたり、酒樽が置いてあったりと寄席の雰囲気が満点(本物の寄席なんだから当たり前か。)。毎回三人の噺家が入れ替わり立ち替わり「御機嫌を伺う」。「寄席」だから変な事も云うけど最後に「不適切な表現が…」というテロップが出ればそれでいーのだ。
「寄席(よせ)」というものを御存知ない方に説明すると、一日中、小さな所で一人20分くらいずつ落語や色物(漫才や手品なんかね)をやっていて、好きな時に入って弁当でも喰いながら落語観て、好きな時に出てくる、という極めてユル〜い空間。是非一度お試しあれ。
「茶色の朝」パヴロフ著(大月書店)より
突然しいたけが喰いたくなった。買ってきたは良いけど、どうしよう。
「政府の動きはすばやかったし、俺には仕事があるし、毎日やらなきゃならないこまごましたことも多い。」
「オレ流」 ?「銀ブラ」? みたいなぁ
「本来靴下に靴なんてのは日本の夏みたいに湿気の多い国の話じゃなくてね…」 なんて云い訳しつつ、Tシャツ-短パン-サンダル という格好で銀座の町を闊歩。
映画「下妻物語」を観る。チケット売り場でいつものように「泣く子も黙る」? 障害者手帳を見せたら、「あ、今日、一日(ついたち)なんで誰でも千円です…」。恥ずかしぃ〜
我孫子の少し先の取手から、日本一の非電化私鉄「関東鉄道常総線」の「下妻」が舞台とあっちゃあ、観ぬ訳にはいきませぬ。…感想は「CM的」な映画かな?
ラストの切迫した○○○シーン。時折キャメラがひいて牛久の大仏様(数年前に墓地を作るのにあわせてその会社が建てた百数十メートルだかの立ってる大仏。「茨城県で唯一どこからでも見える人口建造物」と云われている{ウソ})を入れたショットになるんだけど、こういう茶化すような視点って好き。
しかしこれと同じ事をしているのが「トロイ」に限らず最近の戦争映画。すぐに空撮に走ってしまい激しい戦闘に酔いしれていた観客を興ざめさせ、大自然の中の人間の矮小さを思い知らせる効果を発揮している。
先日「罪と罰」を読み終えてしまったので、行きしなに柏の「浅野書店」(結構でかい)にて、池波正太郎著「男の作法」を購入。(やっていた「いい女になるフェア」に触発されたわけじゃないが)。
けれども行きの常磐線内で1/3ほど読み終えてしまったので、またぞろ読み終えて禁断症状が出るのが恐ろしくて、パヴロフ著「茶色の朝」(大月書店)を銀座の書店にて購入。結構薄いクセに千円もしやがる。
…けど結局買う。こういうのを「活字中毒」というのでしょうか。
需要と供給の「お暑い」関係
友人の古関万人さんの推薦で、品川のキヤノンサロンSに行く途中。何の騒ぎかと思ったら、今話題の三菱自動車の株主総会でした。
暑い中、ひたすら立っている報道陣の皆様方がいて、それを家で煎餅でもかじりながらボーっと観ている人(私含む)がいる。考えてみればうまくできている。
石元泰博氏の写真展は良かった。もうすぐ終わるけど。
韓国映画「シルミド(SILMIDO)」を観る。(朝日新聞のコラム)
「自民族の分断」という歴史が根底にある国ではヒットしても、「『泣ける』映画ではない」以上日本では受けない。…とは云いつつ、悪いけど正直つまらなかった。
それにしても、「軍部の暴走」というのはいつの時代も恐ろしい物を含んでいるんだなと考える私はひねくれもの?
十時過ぎに帰宅したら、朝出した当番の資源ゴミの容器が軒下に入っていた。感謝感謝、と同時に一人暮らしも大変です。
読了
久々に本など読んでみようと思ったが、余りに汚くて寝っ転がるとゴミが体にまとわりついてくるので、使っていない、通称(といっても僕が呼んでいるだけだが)「物置き部屋」に移動。
ここ数ヶ月読んでいたドストエフスキーの「罪と罰」(岩波書店版 江川卓訳)を読み終えた。やっと。厚さ2cm位のが上、中、下に分かれてある。
「バカの壁」を読みたくないという理由だけで、手を出したが最後、つまらぬ意地のために数ヶ月、アヴドーチャ・ロマーノヴナとかアンドレイ・セミョーノヴィチ・レベジャートニコフなんていう覚えにくい名前群に付き合わされた。
しかしまあ、凄い話です。おすすめ(気力と時間があれば)。
「これで終わった。」-最後の一文より-
「演技力」?
芝浦(東京都港区)へ。屋形船と、真新しいビル群と、空港へ向かうモノレールと、汐の香り。
「東京都写真美術館(都写美)」にて、トルコ映画「少女ヘジャル」を観る。(予告編はこちら)
演技の事は分からないけど、「うまい」とはこのヘジャル役の女の子のような事を云うのだろう。ほとんど台詞がない(トルコ語が話せない)にも関わらず、その存在感(「かわいい」というので多分に得をしている部分はあるのだろうけど)。
ついでだし、館内で先日始まった、「世界報道写真展2004」をさらっと見る。
「グロけりゃ良いのかよグロけりゃ」という感じ。全体に「これで一発名をあげてやる」みたいないやらしさが写真からぷんぷん漂ってきて、「戦争の悲惨さ」なんて言葉は空虚に聞こえる。
ここ数年観ているけれども、明らかに「レベル落ちたな」という感じ。
同じ場所で以前からやっている奈良原一高さんの回顧展の方が数倍良い、と思う。