名作の予感


バッテリーが減ってきて交換したばかりのiPod(Dock Connector)(一世代前の)のボタンが利かない。タッチセンサーなので触れると反応する筈のボタン類。銀座のアップルストアに例によって持ち込むと、その場では何も症状は出なかったが、ジーニアスバー(Macに関する色々な質問に答えてくれたり、修理を受け付ける所。)の兄ちゃんは、散々悩んだ揚げ句「また来るのも大変でしょう」と、こちらの「今は何とも無いけど壊れてるんです!」の訴えを信用してくれて無料で新品に交換。九十日以内だからだそうな。で、また保証が九十日延びる、らしい。良かった。
上野にて、映画「血と骨」を観る。あの、ビートたけしが、日本に渡ってきて一財産を為す、凶暴な(物を見たら壊す、女を見たら犯す。)在日朝鮮人の役をやっているアレである。(在日の団体が勘違いして、例によってこういう描かれ方に抗議するなんて事にならなきゃ良いけど)
結構面白かった。何より「お腹イッパイ」で、「映画を観た〜」という気になる。
例えるならば、在日朝鮮人の「悲情城市」、後半「ラストエンペラー」が入る感じ。分かった…?
10月16日のダイヤ改正で、常磐線は上野から出る全ての電車が「快速」に。
停車駅は同じ(微妙に違った)なのに取手より向こうに行くのが「普通」で、取手までは「快速」。でもって途中の「北千住」駅からはたくさん止まる「各駅停車」もある。これまで友人に「何で『普通』なのに駅を飛ばすの〜?」と何度訊かれたか分からない。その度に「あれは常磐線の『普通』であって "常磐線の普通の電車" は快速並に駅を飛ばすんだよ。」と分かった様な分からない様な説明をしていたが、これで解決。
しかし地元民としては「快速『土浦』行き」や「快速『勝田』行き」なんて気持ち悪い。


「オマージュだそうで」(珈琲時光)


映画「珈琲時光」を観た。
「名匠 小津安二郎監督に捧げるオマージュ」というのふれこみで、「悲情城市」の、台湾の候考賢(ホウ・シャオシェン)監督の作品というのもあり観に行ってみた。
いわゆる「小津映画」は何もない普通の生活の中を捉えているが、「娘がとうとう嫁に行く」なんて感じで、絶対に何もない訳じゃない。それと「小津映画」は「何もない」内容を補うように、「作品内に張りつめた厳格さ」のようなものがあった筈だ。
…なんて観てる方は勝手な事云えるんだけどね。
しかし「誰も知らない」と云い、「演技が自然」で「演技らしくない」だったのは確か。これからはこういう撮り方(台本を直前まで渡さないで自然な演技を引き出す)が流行っていくのかなあ…?
主人公「陽子(一青窈)」の実家は、父の実家に行く時に乗る上信電鉄(群馬県のローカル私鉄)の吉井。「半落ち」と云いこの映画と云い、「高崎フィルムコミッション」とか云う奴で上信電鉄はこういう事もやってるのか。確かにローカルムード満点だわな。あの電車。
吉祥寺のバウスシアター。併設の50席しかないここは「ジャヴ50」なんて名前だったのだけど、「バウスシアター2」という名前になっちゃったのね。


福祉イベント大盛況!(華氏911)


お台場の国際展示場にて行われた、「第31回国際福祉機器展」というやつに行ってきた。会場は閑散としたものかと思いきや、押すな押すなの大盛況。障害者や「仕方なく来た」という風情の福祉施設の関係者だけでなく、他の一般の人や、制服姿の女子高生まで居たのにはびっくり。いつの間に「福祉」はこんなにトレンディになったんだ?
諏訪田製作所なる所のぐにゃぐにゃと曲がった鉄パイプが杖になったような、「ALSTICK」なる不思議な逸品を発見。気に入って色々と文句を付ける(じゃなかった。「要望する」だった。)。
映画「華氏911」を観に行く。ブッシュ(米)大統領に批判的な内容ばかり切り貼りして作った映画は、悪人(ブッシュ大統領とその周辺)が決まっていてそれなりに「爽快」で、観る側は何も考えなくて良くて、映画から垂れ流される一方的な情報を口を開けて観ているだけで良くて、「お腹イッパイ」にはなるのかもしれないが、あれは(前作の「ボウリング・フォー・コロンバイン」を含み)ドキュメンタリーとは云えないと思う。
映画の最後で彼(監督のマイケル・ムーア)は「(ブッシュ大統領に向けて)もう騙されないぞ」みたいなことを云っていたが、私はそれを彼に向けて云いたい。独裁者というものは、民衆の味方のような顔をして近づいてきたのだから。
お台場からの帰りのバスの車中より。


「演技力」という事

映画「誰も知らない」を観た。
(カンヌ映画祭で主演男優賞を取った云々を含めて)「演技」が話題になった映画、確かに「自然な演技」ではある。けれどもこれは「『演技』では無いのではないかも」とも思う。「演技」とは所詮「まねごと」ではないのか?「そうそう、こんな感じ。」という時、観る側は役者の演技のうまさを感じるのであるような気がするが。
あくまで私感であって、「演技がうまい」とはこういう事なのかも知れないが。好きな映画ですよ。
Sonyの赤いCLIE(クリエ)(「TJ-25」)が壊れた。それは「雨の中歩いたアンタが悪い」という事らしい。五月に買ったばかりなのに。保証は利かないんだとさ。で、「PEG TH-55」という奴を買った。というか買わされた。


赤い羽の誘惑


今日から、「赤い羽の共同募金」らしい。街頭に立つ女子高生様方の「お願いしま〜す」の声。オバサンが何人並んで居ても、絶対そういう事はないのだが、オジサン、本能として振り向いちゃう〜。振り向いた瞬間オジサンに突き刺さる「募金して(ウルウル)」の視線。そんな無言の圧力には屈せず立ち去るのである。
が、街を歩いていると、そういうパワーに屈したであろうオジサンの多い事。フラフラとその声に吸い寄せられ、(一番気に入ったコを見つめながら)次々と女子高生にお金を貢いでいくのである。
映画「世界でいちばん不運で幸せな私」を観た。しかし一人で来て本当に良かった。
私はこんな映画を女の子と観られる程、無神経ではない。
良い映画だった。二度と観たくない。
「地下鉄漫才」で一世を風靡した(オノレは幾つじゃ)、春日三球先生。こんな所におわしますとは。「おばあちゃんの原宿」こと巣鴨のとげぬき地蔵、地蔵通り商店街。


元米国防長官の告白


毎日家に籠もっているのがそろそろ耐えられなくなって(これを日本語で「現実逃避」と云う。)、六本木ヒルズに(また例によって「Tシャツ+短パン+サンダル」スタイルで)映画「フォッグ・オブ・ウォー(マクナマラ元米国防長官の告白)」を観に行く。
「ヴァージンシネマ六本木ヒルズ」。今流行りの、「シネマコンプレックス」という奴は、野球場みたいな転がり落ちそうな急傾斜を自分の席目指して手すりのない階段(最早、「通路」と云える代物ではナイ。)を登ったり降りたりしなくてはならなくて、座ったが最後トイレにも行けず、はっきり云って嫌いなのだが、マニアックな映画はこういう所でしかやっていなくて仕方無いのだ。
「オヤジの顔を二時間も眺め続ける映画かよ…」と思っていたが、なかなか面白かった。確かにそれには違いないのだが、ベトナム戦争を指揮する当事者としての苦悩が現れている。
一市民は、安易に、そして無責任に「平和!」「平和!」と叫んでいれば良いかもしれないが、「敵を百万人殺さなければ、自国民が二百万人殺されるかもしれない。」という時に、指令官はどういう決断を下すのだろう。
それが、"the fog of war"。
というと、(この映画を観た方ならば)「広島、長崎の原爆投下が正当化されるのか?」という事になるだろうが、それは違う。「既に勝敗が殆ど定まっていたのに、それを決定したのは、自分も含めて『人道上の犯罪』だ」と彼も云っている。
私は、安易に「平和主義者」等と云う人を信じない。そういう人は、「自分が命を捨てれば、平和は守れるかもしれない。」という時に喜んで命を捨てて頂きたい。そういう時に一命を賭さない自称「平和主義者」の事を、「僥倖(ぎょうこう、只ボーっと口を開けて『良いことがあるといーなー』と思っていること。増田辞書。)」と云うのだ。
(あ、私はノラリクラリと生き延びる予定です。「平和主義者」じゃ無いからね〜)
現代日本で(というか世界共通だろうけれども)映画に求められている物といえば、「お腹イッパイ」なのです。高い金払って映画館に行く以上、「ハラハラ」「ドキドキ」「怖い」「感動」「大迫力」…等々 を味あわせてくれなければ意味がない。観客は残念な事に、会席料理ではなくて、オムライスを求めているのだ。
例に出して悪いけれども、それで「下妻物語」はヒットしなかった。「面白い」。「面白い」とは思う物の、CM的で、全てが軽かった。多少金のかかったテレビドラマ程度だった。
だからこの映画も「静かな波」で終わっていくでしょう。(大勢の)観客は、内容如何ではなく、映画館を出た時の「映画を観た〜(明日からガンバロー)」という充実感、「お腹イッパイ」を求めているのだから。
時間があったので、一つ前の「青山一丁目」の駅から歩く。喫茶店の人に「六本木、どっち?」と訊くまでもなかった。象徴的な塔目指していけば良いのでした。


純愛…? でしょう


買ったまま置いておいた韓国映画のDVD「悪い男」をやっと観た。
公開当初も観たのだが、この映画、自分が一目惚れした女子大生を、主人公のヤクザ男が売春街に騙して売り飛ばし、客をとり、「娼婦に変化していく」のをマジックミラー越しに秘密の部屋から「見守る」。という愛に満ちた?一編。
こういう内容だから当然、残念ながら一緒に行った女性との愛ははぐくまれませんでした(笑)。
しかしその女性(サムスン電子勤務・韓国好き・朝鮮語できる)によると、「居そう〜、ああいう男。」だそうだから、韓国にはこういう「愛=所有欲」みたいな図式の男が多いらしい。徴兵制度の弊害?


東京版「ジャスコ」?


「ギロッポンズルヒ」じゃなくて「六本木ヒルズ」に始めて行った。映画「ディープ・ブルー」(英BBCのスタッフが7年かけて撮影したとかいう海洋ドキュメンタリー)を観る為。
六本木ヒルズ」というのはあの象徴的なビルを含んだ一帯をそう云うらしい。「どっかで観た事あるよな、この風景。車で来ると家族一日遊べる、一っ所に映画館やらスーパーやらレストランやらある…」と思ったら、田舎によくある「ジャスコ(を代表とする大型ショッピングモール)」の大きい版じゃないですか。今日も御苦労な事に地方から来たであろう母子がウロウロしていたけど、こんなトコ来なくても地元の「ジャスコ」行きゃ良いじゃないですか。(以下続く)
今や新名所?となった「死の回転ドア」。献花台には寂しく「…当施設におきまして発生いたしました事故で幼い命が失われることになりましたこと悲しみにたえません。…」の一文だけが。「失われた」ではなく「失われることになりました」というのが如何にも「うちらは知らないよ〜ん」という森ビルの態度を表していて妙。しかし3月26日なんですねえ。「去る者は日々に疎し」という事なのでしょう。
映画「ディープ・ブルー」の方は、気合い入っていてそれなりに面白い。あの清々しい海岸の風景や大波小波を大スクリーンで見ていると、海行きたくなります。
でも結局はナショナル・ジオグラフィック的というか、如何にも欧米的に、「鯨は何%に減りました。だから守りましょう。」みたいな短絡的な結論で終わっていて、「減らしたのは誰なんだよ〜」と云いたい。僕は。
ドキュメンタリーはお手の物のBBCのスタッフ制作ということもあったのでしょうか、手慣れた感じが鼻につく。去年観た「WATARIDORI」の方が良かった。


R-15指定(した方が良いと思うぞ)映画

またまたiBookが壊れた。こう書くとiBookって凄く壊れやすい製品のようだが、そうでは無い。去年5月頃購入してからつい最近までは、さして文句も云わずに働いてくれていたのだ。
銀座のAppleStoreに見せに行ったが、今回は機械的なトラブルではなかったようなので、それまでの作業分のみその場でCD-Rに焼いてもらって帰宅。
関係ないけど最近できたこの銀座のアップルストアって便利です。「初心者お断り」的に商品が積み上げられ、何か聞く度に「Macの事なんか知るかバカ」とばかりに、「少々お待ちください」とか云って店員が消えていく、ココとかココの家電量販店と違って。しかも意外と(と云っちゃあ悪いが)安い。(けど高い物は高い 04.08.21付記)
で本日は、iBookが壊れて何もできないので、「たまには映画でも観るか」と(ウソ)「スパイダーマン2」を観に、柏に出ました。この写真日記も、またもPalm(CLIE)で書いてます。
ビルの谷間をひょいひょいと抜けていく様は爽快でした。けど内容は「オタク系の冴えない男が実は凄く強くて…」という、まあありふれた「オタク願望調子良く成就」パターン。そういや「マトリックス」なんてのもそんな話だったな。この映画の場合は「オンナなんかゲットしちゃって万事オッケー」という「都合良いののだめ押し」みたいなのがつくんだけど。
ところでこんな映画を子どもになんかに見せちゃって良いんだろうか?
アニメならともかく、実写(のフリ?)でビルの谷間を飛んだり跳ねたりして、しかも御丁寧にも主人公(スパイダーマン)がスランプ?に陥りうまく飛べずに「イテテテテ…」みたいなシーンがあるのだけど、本当に数十階のビルの上から落っこったら「イテテテテ…」じゃすまないんだからね!


アチッ

点けて寝た、豚の蚊遣り(蚊取り線香を入れる豚の形をした陶器)に寝ぼけ眼で指を突っ込んで目が覚めた朝。
最低の寝覚め。
8時から、NHK衛星第二放送で「初恋のきた道中国語サイト)」をやっている。明日は同じ張藝謀(チャン・イーモウ)監督の「あの子を探して中国語サイト)」そして日曜日は「HERO(英雄)」。
実はこの人の作品はあまり好きではない(HERO(英雄)は観てないけど)。何かアジア映画にあって欲しいと外国人が願い持つ「純朴さ」みたいなものを逆手にとって、「さあ泣け、さあ泣け。」と云わんばかりで。
初恋のきた道」の物語は、中国の寒村に住むお婆さんが、死んだ夫の葬儀に、手間と金のかかる古式にのっとった物にしたいと云い出す。その訳は、お婆さん若かりし頃死んだ夫に向けられた一途な愛にあったのだ。という話。
女の子(若かりし頃のお婆さん)が一目惚れした彼(死んだ夫)に自分の作った昼食を食べてもらう(集団作業なので、どの人が自分の作った鉢を取るか分からない)シーンなど、良いように捉えれば、「いじらしいまでに純朴」というのだろうが、クサすぎて「何やってんだバカ」というようにしか思えないんですけど。
他方、「あの子を探して」の方はまだ救われるのだが、中国の寒村(という舞台設定からして観客の涙を絞り出してやろうという下心が見え見えなのだが)の小学校に来た代用教員は13歳の女の子。云うことをきかない生徒達に散々手を焼くが、その中の一人が口減らしに都会に働きに出されてしまい、その子を探しに一人、何の手がかりもなく都会へ出て行き、手を尽くして探すも見つからず、行方不明の放送をしてくれるように頼む為に、テレビ局の前で野宿してると、テレビ局の局長がそれに感じ入って放送してくれるという話。
まあ「んなバカな」という所です。如何にも、中国の国策的映画。でも主役の女の子、かわいい。
私は「山の郵便配達」や「ションヤンの酒家」のが好きです。
内容はともかく、「初恋のきた道」、原題は「我的父親母親」。説明するまでもなく、「私のお父さんお母さん」なのだが、これを日本語訳して「初恋のきた道」とした所は凄い。