美術館の図書室に籠もる

恵比寿ガーデンヒルズ
朝から東京都写真美術館に行って、目的は図書室なのだけど、ついでだから、地下でやっているジャンルー・シーフの展示を観る。
スタジオでのモデルの写真等、非常にプリントがきれい。一時代を築いたモードの人、という感じ。並べられるとそうでもないけれども、雑誌を開いてこういう写真が目に飛び込んできたら、「おぉ」となる(なった)かも。
観終わったのがちょうどお昼だったので、ガーデンプレイスの上に上って昼食。
写真美術館に戻って四階に行き、図書室に行く。ここは展示とは違って無料。
フリードランダーで検索して片っ端から写真集を見て、この人の世界に浸っていたら、四時になったので帰る。いつもの二階の喫茶室で休憩して帰ろうかと思ったら、今日は二階の展示が無いのでお休みだった。
日本語の写真集は、80年代に彼の仕事をまとめた一冊だけで、これがセルフポートレートやらスナップやらをまとめた仕様となっていて、日本語の解説文もあり、分かり易かった。
初期〜中期の作品は、鏡やガラスに写り混んだ景色や、画面上の要素(テレビの画面も)を組み合わせたスナップ。地上の様々な要素を取り込んで構成していく意気込みの様な物が感じられて面白い。
その後こないだ休刊になったばかりのデジタルフォト最終号を見た。「もう最後なんだからやるぜっ!」という写真作品ばかりの一冊丸ごとで、意気が感じられた(もう終わっちゃったんだけどね…)。
昼食に上ったガーデンヒルズの38階にて。


ギャラリー巡り

Totem pole photo gallery
今日は良い天気だ、風も涼しいし。
コニカミノルタプラザへ。
一通り見て帰ろうと思ってエレベーター横の他の写真展の案内葉書を見ていたら、Totem pole photo gallery でやっているという写真が気になり、場所も四谷で近いので、移動。
福山えみ「月がついてくる5」
案内葉書に使われていた写真が気にいったのだけど、他の写真はどうという事の無い。
「何が違うんだろう」と思いながら眺めていると、面白く無い写真って対象にだけ目がいって、他の写り込んでくる物の事は余り考えて無い。
対象とその周りに写り込んだ物が互いに影響し合うその妙を味わうのが一つの写真の楽しみだと思う。
行きは急いで新宿から車で来たけれども、今度は地下鉄の曙橋まで歩く。
曙橋からなら京王に直行しているので、高校の後輩とお昼を食べようと待ち合わせている桜上水まで楽にいける。
ご飯を食べて、甲州街道沿いのBroiler Spaceへ。
金村修「OSAMU KANEMURA 1998-2001 Sunny Side of Suicide」
相変わらずのこの人調。「世界はこういう風な眺め方があるんだね」という(「そりゃ全ての写真作品はそういう物でしょ」と言われればその通りなのだが)雑然とした街のスナップを堅いプリントで。内容はパンクでロックで生の感情がそのままほとばしる荒々しい世界の様なのに、案外にも観に来ているのが女性ばかりだったのは意外。
Totem pole photo gallery 四谷の通りから少し入った住宅街にある、良い所だった。


筑波山の梅まつりへ

筑波山の梅まつり SIGMA DP2 で撮影
筑波山は梅が満開だそうで、梅まつりに行った。
ちゃんと顔が出た時にシャッターを押したつもりだったのだけど、このカメラ(SIGMA DP2)のシャッタータイムラグには毎度の事ながら悩まされている。
撮った絵はカラーネガフィルムの様な、往年のコダクロームの様な、濁った、透明感のない(訳では無いのだけど)、透明水彩で無くアクリル絵の具で描いた様な絵で、好きなのだが。
ピンは置いた位置で良かったのだけど、シャッターチャンスを逃し、失敗作の様な、でも「これはこれで不思議な雰囲気が出て良いか」という「妥協作」の様な一枚。
(前回偕楽園に行った時「『梅見に行った』という癖に満開の梅の写真じゃないじゃないか」と知り合いに言われ、今回は満開の梅の写真。)


帰郷?


昼前、我孫子へ帰る仕度をまとめて実家を出る、旅の間着ていた服は早く自宅で洗いたい。
東京都写真美術館に寄る。2月7日までの『日本の新進作家展vol.8「出発-6人のアーティストによる旅」』を観て置きたかったのだ。
それぞれの「旅」をした中では、尾仲浩二さんが良かった。
旅をした時、こういうどこでもある様な、けれどもどこからとなく土地の匂いがしてくる様な、そんな景色を見て歩いているんだよ、と思う。
2階展示室の目の前の喫茶店(格好良く言えば「オープンカフェ」?)で昼飯を食う。生ハムとチーズの挟まったパンと紅茶を。
一人で好きな所に行って、好きな店に入り、気ままに過ごすのは何と素晴らしい事か。
常磐線を柏で降りて駅前のビックカメラで酒を買いこむ。720mlの瓶を4本買ったから、旅の荷物と合わせて重いなと思っていたら、丁度柏から我孫子の家までの一日数本しか無いバスが来る時間だったので、それで楽に帰る。
写真は写真美術館から恵比須の駅までの帰り道。(SIGMA DP2 にて撮影)


東京都写真美術館に行って我孫子に帰る。
昨日は良い天気だったけれども、今日は朝から冷たい雨が降る。
●木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし
●セバスチャン・サルガド アフリカ 生きとし生けるものの未来へ
木村伊兵衛とブレッソンは言うに及ばず、サルガドは、今世界最高のフォト・ジャーナリスト(戦争写真家では無い)と言えるだろう。
この陣容であれば、いかに写真の選び方や展示の仕方がどうあれ、外し様のない、見るべき価値のある写真展になってしまうだろう。
ブレッソンと木村伊兵衛の写真をたくさん並べて観たのは始めてだったけれど、こうして見ると似た様な写真だけれども二人の違いが見えてくる。
ブレッソンは如何にも西洋的なというか、画面の絶妙な位置に配されたポイント、それが交互に影響し合い、釣り合いの取れた破綻のない画面を作り出している。
対して木村伊兵衛は、絶妙な位置、絶妙な瞬間からわざと少しずらした様な、一つ間を置いた絶妙の世界を作り出している。被写体との交歓の頂点を外しているから、さもするとどうって事無い写真に見えてしまうのだけど、素晴らしいピークを撮るのなら、それは江戸っ子的に言えば「野暮」という事なのであろう。
ブレッソンの隙のない画面構成に対して、木村伊兵衛の捉える一瞬は、絵に少しの隙があって、そこから少しずつ被写体との間に漂う空気が抜けている様なおもしろさがある。
サルガドの写真展は、やはり凄かった。上の二人で言えば、ブレッソン的なそつのない圧倒的な画面構成で、アフリカの難民達の世界を見せつけてくれる。アフリカの難民キャンプを撮る人は多くいるだろうけれども、これだけ画面全体に充満する迫力で見る者に迫ってくる写真を撮れる人は、今彼しか居ないだろう。


写真展終わり

先日仕事の撮影に出掛けた後はずっと居るつもりだったのだが、最終日23日の午前中も仕事の撮影が入り、居る事ができなかった。
会期終了後、
来週の火曜日は実家の近くで撮影の予定なので、仕事の機材(三脚と重いカメラバッグ)を西荻窪の実家に置き、もう一度会場に戻り、置いておいてもらった荷物(閑潰し用の新聞だとか)を紙袋に入れて我孫子へ帰った。
展示していた額は借り物なので返し、中身の印画紙とマット(印画紙を囲っている紙の枠)は外して梱包して宅配便で家に送ってくれる様に頼んだ。
何回やっても、この最後の片付けというのは寂しいものだ。
しかしこれで、会場の事を気にしながら仕事をしたり、仕事を終えて会場に駆けつけたり、それはそれで閑な会場の入り口に座って眠気をこらえたり(空調完備で薄暗く静かなので、本当にすぐうつらうつらしてしまうのだ。)しなくて済むと思うとほっとする。
そして案の定、帰宅後は体調を崩し気味になり、昨日の土曜日まで、ただダラダラしていた。
時間ができたので(会場の入り口で耳にイヤホン突っ込んでるわけにもいかないでしょう)、
スノーさんのフォトスクランブル」にて、自分の写真展について会場で語った声を聴いてみたけれども、結構高い声で、嫌なツンケンツンケンした声と口調なので少なからずショック、自分の声を聞くというのは嫌な物だ。
そして、この度のインタビュアーでもある古関さんに「結構話を容赦なくぶった切るね僕…」って言ったら「何を今更…」と言われた。


ブルーナの切手に気付いてくれたか

昨日は仕事で世話になっている赤羽の幼児教室から電話があった。
仕事の話も少々。嬉しかったのが、04年にブルーナの展覧会に行って買ってきて、何か郵便を出す(と言っても50円切手だからなかなか使い道は無いのだが)時に、気付いて喜んでくれる人にはこの切手を貼って出そうととっておいたブルーナの絵が描いてある切手が貼ってあるのに気付いて、喜んでくれたこと。
こないだ来た古関さんに、今回の写真展について思いつくままをだらだらと喋った録音が、アップロードされている。
ポッドキャスティングで、「スノーさんのフォトスクランブル(記念写真からアート作品まで、写真・カメラの事を何でも語っていこう!という番組)」という番組だそうなので、iTunesに登録してもらうと、更新される毎に自動的にダウンロードされる。


西荻駅ホーム端の青い光


写真展、そりゃ写真を観る為に来てくれる人が一番ありがたいし、そういう人がゆっくり写真に浸れるのだが、
会場に居ると、先日は高校のバドミントン部の後輩なんて人が来てくれた。これまで連絡も何も全く取っていなかったし、失礼ながら存在さえ忘れていたのだけど。
知らない女の子が来て何かと思ったら、映画の専門学校の一年生の実習で短編映画を撮るのだけど、その中に白黒写真の展示会場というのがあって、それに作品を借りて使わせて欲しいとか。別にそれで金を稼ごうという訳じゃないらしいので「良いよ」と言ったけど、面白いことがあるもんだ。
さて今日はどんな面白い事があるやら、無いやら。
帰りに西荻で降りると噂の、飛び込み自殺をする前に心を静めて思いとどまらせようという青い蛍光灯、があった。あの下に行くと静かな気分になるのだろうか。


写真展をやります


ついに昨日、展示のために半切(35.6×43.2cm)の印画紙に焼いた写真41枚を、額装を依頼する業者の人に渡し、後は会期前日の搬入をするのみとなった。
10月14日〜10月23日 新宿タカノフルーツパーラーのビルの4階にあるコニカミノルタプラザにて、写真展「屋上天国」をやります
デパートの屋上に集う様々な人々の姿を切り取った、写真です。
仕事のサイトを更新しつつ、前にやってから二年以上経つのか… などと思いつつ、こんな写真です。
(まだ案内葉書が千何百枚余っていますので、配るあてのある方は言って頂ければお送り致します。)


只今ブツ撮り中


仕事をしている某タイル会社から、タイルだけスタジオで撮るブツ撮りもできないかという事だったので、懇意にしている赤坂の料理写真のスタジオを借りて撮らせてもらった。
「今の光線状態でどう撮るか?」の自然光と違って、じっくり好きな様に光を動かし、強めたり弱めたり、ピーカンにしたり薄曇りにしたり、面白い。